佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画は、空港が立地する佐賀市川副町での校区別説明会、駐屯地予定地の地権者となる漁業者代表への説明を経て、8日には米軍のオスプレイによるデモフライト(試験飛行)が予定される。説明、情報不足を指摘する声もある一方、山口祥義知事は計画の全体像、将来像について「かなり明確になってきた」と評価する。判断時期はいつになるのか。知事の発言の変遷から読み解く。

 ■「無色透明という意味で白紙、先入観なしで聞いて、やはり全体像、将来像を明確にすることが始まりだ」(2015年2月13日 左藤章防衛副大臣=当時=との面談後の取材)

 山口知事は15年1月の就任時から防衛省の要請に対して「白紙」を強調、計画の全体像、将来像の明確化がなければ議論を始められないとの姿勢を貫いた。自衛隊のオスプレイ配備、目達原駐屯地のヘリ部隊の移駐、在沖縄海兵隊の訓練移転の要請3項目の中でも、米軍の訓練移転を「最大の課題」と位置付けた。

 ■「『(米軍の訓練移転要請の)取り下げ』の意味を(防衛)大臣にも確認させていただき、その中で『切り離し、別途検討することはない』と明言したからゼロになった。不安要素が非常に大きかった米海兵隊の要素が今回なくなったので、残りの2点について検討を進めるという意味で意義がある」(15年10月29日 中谷元・防衛相=当時=との面談後の取材)

 要請3項目のうち、米軍の訓練移転を取り下げたことを評価、自衛隊のオスプレイ配備、ヘリ移駐に絞って精査を進める考えを示した。山口知事は予定地の具体的な場所、施設配置図、空港から上昇後の飛行ルートの明確化を求めた。

 ■「就任以来、防衛省とこの作業を積み重ねてきた中で、明らかになるべきところは、かなり明らかになってきたのかなという感じは持っている」(16年6月3日 若宮健嗣防衛副大臣との面談後の取材)

 若宮副大臣が施設配置案を説明。昨秋の中谷防衛相来県時に明確化を求めた3項目のうち、予定地の場所、施設配置図が示され、「かなり明らかになった」との言葉が聞かれ始める。

 ■「だいぶ実感として進んできている。(受け入れるかどうか)どちらかは分からないが、判断の時期はそんなに遠くないだろう」(16年10月9日 佐賀新聞社インタビュー)

 8月に九州防衛局から九州内の演習場や一体運用される水陸機動団の配置先となる佐世保への飛行ルートが例示された。県有明海漁協や地元川副町への説明も踏まえた発言とみられる。これまで繰り返した「スケジュール感を持ち合わせていない」との発言から踏み込んだ印象で、判断時期をえん曲的に示唆した。

 ■「今回、防衛省だけでなくて、官邸がどう考えているのか、総理がどうお考えなのかというところがしっかり伝わる形でないといけない」(16年10月14日 定例記者会見)

 昨秋に撤回された米軍の訓練移転に関し、安倍晋三首相が「訓練の一部を佐賀で行うということで進めている」と国会答弁したことを受けて、官邸に発言の趣旨や真意など確認する考えを示した。厳密に真意の確認を進めるとみられるが、相手が首相だけに作業は容易ではない。「遠くない」とした判断時期がずれ込む可能性も出てきている。

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