佐賀空港滑走路上空を試験飛行する米軍オスプレイ=8日午前、佐賀市川副町

■佐賀空港周辺 経路周回やホバリング

 佐賀空港への自衛隊新型輸送機オスプレイ配備計画に関し、防衛省は8日、在沖縄米海兵隊のオスプレイMV22によるデモフライト(試験飛行)を佐賀空港周辺で実施した。オスプレイが佐賀県内に飛来するのは初めて。配備された場合に飛行することになる離着陸経路を周回、空港周辺や飛行ルート下の地域では騒音の大きさを確かめる住民らの姿が見られた。

 米軍機1機が普天間飛行場(宜野湾市)を午前8時すぎに離陸し、午前10時15分ごろ、曇天の佐賀空港上空に飛来した。悪天候時に採用される「計器飛行ルート」から始まり、柳川市上空で旋回し杵島郡白石町まで周回した。基本的な離着陸ルートでは、川副町の住宅地などがある空港北側約4キロ先の上空を東西約8キロにわたって楕円(だえん)状の経路に沿い1回飛んだ後、空港南側の有明海沖合4キロ先のルートを高度300メートルと500メートルの2パターンで計5回周回した。

 最後に滑走路上でホバリングした。重低音を響かせながら上空50メートルと10メートルで静止飛行し、午前11時半すぎに空港を飛び立った。

 防衛省は川副町や東与賀町、杵島郡白石町、有明海上など10カ所で騒音を測定した。測定結果は後日、公表するとしている。

 佐賀空港の展望デッキには約850人が詰め掛け、一帯に響き渡る重低音と特殊な機体を確かめていた。

 視察した佐賀県の山口祥義知事は「多くの皆さんにとってオスプレイを体感する機会になった」と評価した上で「議論が加速したり、論点が明確になってくると思うので、しっかり見届けたい」と述べた。

 ただ、「1機だけでは参考にならない」との声があるほか、駐屯地予定地の地権者でもある県有明海漁協や地元住民らは反対姿勢を貫いており、今後の議論には不透明感も漂う。

 九州防衛局の川嶋貴樹局長は「言われていたような大きな騒音とか危険性とかはなく、ご理解いただければ」と語り、複数機による飛行は「米軍も時間をやりくりして飛んでくれているわけで、お願いは相当難しい」と可能性を否定した。

 試験飛行は「騒音の体感が必要」との地元住民や県議会、佐賀市議会などの意見を踏まえ、9月に山口知事が稲田朋美防衛相に実施を要請していた。

■佐賀空港オスプレイ配備計画

 防衛省は佐賀空港西側に陸上自衛隊の駐屯地を新設し、新型輸送機オスプレイ17機を2019年度から順次配備、目達原駐屯地のヘリコプター約50機も移駐する。陸自相浦駐屯地(長崎県佐世保市)に配備され島しょ防衛を担う水陸機動団の輸送が主な目的で、隊員は約700~800人。駐屯地の広さは33ヘクタールで隊庁舎や格納庫、弾薬庫などを整備する。平日の午前8時~午後5時に年間1万7000回(1日約60回)の離発着を見込み、夜間訓練も実施する。米軍の訓練移転に関しては、他の空港と横並びで考えるとしている。

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