佐賀空港の南側でオスプレイを見つめる漁業者ら=8日午前10時40分ごろ、佐賀市川副町

■「これでは魚逃げる」

 ノリ漁期真っ盛りの有明海の漁場や沿岸の堤防では、佐賀県有明海漁協の職員や漁業者が上空を飛ぶオスプレイに視線を注いだ。騒音を巡っては「ほとんど気にならなかった」「思った以上の騒音で心配」という声が交錯し、漁船漁業者は「これでは魚が底に逃げてしまい漁にならない」と一様に困惑していた。

 漁協職員は佐賀空港南側の堤防で騒音を観測した。約500メートル離れた場所で、ヘリモードで離着陸するオスプレイにマイクを向けると100デシベルを上回った。民間の旅客機の離陸時とほぼ同じ数値で、職員は「正確かどうか分からないが…」と評価に戸惑っていた。

 「ヘリと同じような音。飛んでくるだけなら影響はないのでは」。佐賀市川副町の戸ケ里漁港でノリ漁家の20代男性は淡々と話した。同町の広江漁港では男性漁業者(25)が「船のエンジンをかけたままでも結構、音がした。万一、事故が起きたら誰が責任を取るのか」と不安を口にした。

 計画地の地権者の多くが所属する南川副支所の田中浩人運営委員長は漁船に乗り込み、音を聞いた。「熊本で体験搭乗したときよりも小さく感じたが、あの重低音を毎日、長い時間聞かされると思うと、やはり不快」。反対の姿勢に変わりはないことを強調した。

 コハダ、コノシロ漁は海面の魚群に網を投げる伝統的な漁法で、エンジンを止めて櫓(ろ)で船を操る。漁場を回った大浦支所(藤津郡太良町)の大鋸長陽さん(43)は「1キロほど先にいても地響きのような音がして、漁にならないと感じた」と険しい表情を浮かべ「生活がかかっている」と反対の意志を強くしていた。

=オスプレイ試験飛行=

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