「team.遊悠融」代表 馬場佐希子

■日常の会話に話題提供 交流深まる紙面づくりを

 「子どもと生活すると、季節をすごく感じることができます」。1日付の「きょうの言葉」は、大人は暮らしに追われ、自然の事象が敵のよう。子どもといると人間として当たり前の感性を思い出すことができると伝えていました。

 子どもが自分の気持ちを素直に表現する姿への寛容さが小さくなっている社会に、“子どもたちとふれあいませんか?”と投げかけているようで、うれしい気持ちになりました。

 生誕日から24時間までの赤ちゃんが紹介されている「みんなは佐賀のタカラモノひびのハピバァ」で、10月は94人の新しい命が紹介され、その表情に心があたたかくなりました。

 10月は里親推進月間でした。何らかの事情で家族と暮らせなくなった子どもに、家庭的環境での養育を推進する月間。記事に、県警が1~6月に虐待の疑いで児童相談所に通告した18歳未満の子どもは36人で、前年同期より22人増加しているとありました。

 困難な環境で育つ子どもたちに、「生まれてきてありがとう」と、やさしく寄り添う社会でありたいと思います。

 県民世論調査は、県政や暮らしについての調査で、紙面に大きく取り上げていました。18歳以上の県内有権者数を市町、男女、年代別に比例配分して行ったということですが、回答の属性割合の記載があれば、読者が考察することもできたと残念でした。

 佐賀新聞には、日常の会話に話題を提供しているイメージがあります。「新聞に載っていたね」と、会話が始まることがよくあるからです。

 前出の赤ちゃんの投稿数は、佐賀県の1カ月の出生数590人(平成27年度平均)からすると、とても多いです。

 毎日掲載されている「オピニオン」面での投稿記事は、85・7%が60歳以上からのものでした。高齢者の思いに、多くふれることになっています。

 講演採録「日本人が忘れてしまったこと」で、講師の話を、「私たちは命のつながりの中の『今』を生きている。戦前、命は決して自分だけのものではなく、子や孫へ引き継いでいくべき責任があると考えられ、みんなが知っていた。若い人が命を引き継ぐ役割を知らないことが少子高齢化の問題につながっている」とまとめられていました。

 社会のさまざまな状況は、先に生まれた人がつくってきたもので、若い世代はその社会の中で育てられてきました。社会保障・税制度を支える若い世代の生活状況は厳しくなっていて、困難な状況は増大しています。しかし、高齢社会の進行のためか、関心が大きくなりません。

 地域社会に世代を超えたあたたかいふれあいが広がるために、子どもや若い世代の「今」を伝え、交流が深められる紙面づくりを期待します。

=10月分=(ばば・さきこ、鳥栖市)

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