マタニティーハラスメント相談件数(佐賀労働局)

■「職場に迷惑」多くは未解決

 妊娠や育児休業取得などを理由とする職場での嫌がらせ「マタニティーハラスメント(マタハラ)」に関し、2015年度に佐賀労働局に寄せられた相談件数は、前年度比24.5%(12件)増の61件だった。違法行為としての認識は労使双方に広がりつつあるものの、働きにくくなることを不安視する相談者の意向もあり、解決まで持ち込めないケースも目立っている。

 相談の内訳をみると、妊娠や出産を理由にした不利益な取り扱いなど男女雇用機会均等法に関わる相談が36件で最も多く、次いで育児・介護休業法関連が25件だった。本人からの相談が58.8%を占めている。

 明らかな違法行為も目立ち、「妊娠を報告したら契約期間満了を理由に雇い止めされた」「つわりがひどくて1カ月入院したところ、休業が続けば契約更新は難しいと支店長から言われた」(契約社員)といった相談が寄せられた。

 「前例がないという理由だけで産前産後の休業と育休の取得を拒否された」(パート)、「復職後に夜勤を外すよう求めたところ退職を求められた」「復職にあたり勤務時間の短縮制度を利用したいと言ったら、パートへの身分変更を勧められた」(いずれも正社員)といった相談もあった。

 ただ、こうした相談がある一方、佐賀労働局が事業主に話を聞く「報告徴収」は6件にとどまった。調停などが行われる「紛争解決援助制度」の利用も2件だけで、同局雇用環境・均等室は「働く側がどこまで主張していいか分からない、自分が迷惑をかけているといった誤った意識が背景にある」と説明する。

 来年1月1日には改正男女雇用機会均等法が施行され、マタハラ防止措置が事業主に義務づけられる。加害社員は懲戒処分になることを就業規則に明記することなどが求められ、同均等室は「法律の改正点だけでなく、疑問があったり、つらい思いをしていたらまずは相談して」と呼び掛ける。特別相談窓口は、電話0952(36)6205。

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