米大統領選でトランプ氏が当選を確実にしたことを報じる佐賀新聞の号外に見入る女性=佐賀市のJR佐賀駅

 米大統領選で共和党のトランプ氏(70)が勝利した9日、佐賀県内でも驚きや戸惑いが広がった。

 「えっ、トランプなの」。60代男性は9日夕、佐賀市のJR佐賀駅に張り出された佐賀新聞の号外に見入った。当選を確実にしたことを報じる紙面はバスセンターを含め2カ所に掲示され、帰宅途中の利用者らが次々と足を止めた。

 トランプ氏は日本などの同盟国に米軍駐留経費の負担増を求める姿勢を示し、日本の核武装を容認する考えを述べたこともある。長崎市で被爆した原一さん(87)は西松浦郡有田町の自宅で大統領選のニュースに接し「誰が大統領になっても核廃絶を息長く訴えていくだけ」としつつ、「国際社会の歩みに逆行することだけはしないで」と注文した。

 不在者投票で民主党のクリントン氏(69)に投じた米国人で、佐賀市国際交流員のサクラ・スーカさん(22)は「女性蔑視や米国第一の考え方を改めなければ、いろんな国を敵に回すのでは」と渋い顔。「『偉大なアメリカを取り戻す』という訴えが魅力的に響くほど、現状に不満を持つ人が多かったのでしょう」と推し量り、「私自身は、結果を受け止めて前を向くには時間がかかりそう」。

 「既存政治への不満やうんざり感がマグマのようにたまり、受け皿となったのが、幸か不幸かトランプ氏だった」。畑山敏夫佐賀大学教授(政治学)はこう指摘した。大統領に就任すれば政治の継続性を理解し、過激な言動を控えるかもしれないとみる。「いずれにしても、戦後71年続いた日米関係を見直すいい機会になると考えるしかない」

 環太平洋連携協定(TPP)からの脱退を主張するトランプ氏の勝利で、協定の行方は不透明になった。TPPに慎重なJA佐賀中央会は「コメントできる状況ではない」とした。

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