原子力規制委員会が審査書案を了承し、九州電力玄海原発3、4号機は再稼働に事実上「合格」した。これまで以上に地震や津波対策などを実施するが、あくまで新しい規制基準に対応したにすぎず、規制委も認めるように安全に対する「お墨付き」ではない。

 九電は重大事故時の緊急時対策所について、耐震構造とすることで審査をクリアしたが、当初計画の免震構造を十分に説明しないまま変更したことに地元は猛反発し、規制委も苦言を呈した。技術的な安全面だけでなく、心理的な信頼や安心が何より求められていることの証左だろう。

 今後は地元同意の手続きに焦点が移る。九電が十分に説明責任を果たすかどうかが注視される。対策所の問題に限らず昨年11月には乾式貯蔵施設の設置でも同様の批判を浴びた。「やらせメール」問題があった中で、従来の繰り返しでは県民の不安は拭えない。信頼回復はなお道半ばである。

 再稼働は政治が判断するが原発を運転するのは九電だ。国策を進める以上は独自に説明会を開くなど、厳しい意見にも真剣に耳を傾け、住民に寄り添う行動が不可欠だ。

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