玄海原発3、4号機が新規制基準に適合したことについて報道陣の質問に答える岸本英雄玄海町長=東松浦郡玄海町役場

 原子力規制委員会が事実上合格を判断し現実味を帯びてきた再稼働に、玄海原発から30キロ圏にある佐賀、福岡、長崎の市町の首長は、国の対応を注視する姿勢を示す一方、住民の理解を求める声も少なくなく、責任の所在の明確化を注文する意見もあった。

 「国の手続きに合わせた形で準備を急ぎたい」。佐賀県の山口祥義知事は、再稼働に関する意見を聞く第三者委員会について週明けの定例会見で説明する考えを示した。第三者委では「基本的に規制委の審査を信じているが、ちゃんと進められているのか、問題がないかも含めて幅広く意見を聞きたい」と述べた。

 原発が立地する東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は「もっとスピード感を持ってほしかった」としつつ、「特別な思いはない。やっとここまで来たという一つの区切りと感じただけ」と淡々と受け止めた。12月議会か年明けに臨時議会などを開いて地元同意に関する議論を始める考えを示す一方、町民の意見を直接聞く場の開催は否定した。

 審査合格を再稼働賛成の条件に挙げていた唐津市の坂井俊之市長は「まず佐賀県の意見を聞くために国や九州電力が審査内容を説明する機会を設けると思うので、隣接自治体として強い関心を持って対応したい」とコメントした。

 一方、玄海原発の再稼働に反対する伊万里市の塚部芳和市長は「新規制基準の適合で安全の担保はできたのかもしれないが、安心の面での担保は得られず、市民生活は不安がつきまとう。重大事故があった場合は立地自治体だけでは済まない」とくぎを刺す。

 長崎県平戸市の黒田成彦市長は、再稼働の可否を判断できる専門的知見を持っていないとして「国や電力会社で再稼働の方向性と責任の所在を明確にしていただきたい」と注文。福岡県糸島市の月形祐二市長も「再稼働の決定は、国が住民への説明を十分行い、理解を得てほしい」と求めた。

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