新規制基準に適合したことを示す審査書案がまとめられた九州電力玄海原発3号機(手前)と4号機=東松浦郡玄海町

 原子力規制委員会は9日の定例会合で、九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)が再稼働の前提となる新規制基準に適合していると認めた「審査書」案を了承した。事実上の審査「合格」で、再稼働に向けて大きなヤマを超えたことになる。今後、法令に基づく認可手続きや地元同意を経て、実際の再稼働は2017年度以降になるとみられる。

 規制委は10日から12月9日までの30日間、科学的、技術的な意見を一般公募した上で審査書を完成するため、正式な合格は年末年始ごろになりそうだ。その後も各施設の詳細設計に関する「工事計画」や運用管理体制を定めた「保安規定」の認可手続きのほか、地元同意を得る必要もあり、再稼働した原発はいずれも審査合格から再稼働まで1年程度かかっている。

 規制委の田中俊一委員長は会合後の会見で「福島のような事故を二度と繰り返さないために新規制基準を作り、適合性を厳密に見てきた」と審査の意義を強調した上で、再稼働については「地元がどう判断するか規制委が関知することではない。地元の安心と審査は別の問題」と述べた。

 九電は13年7月12日、川内原発(鹿児島県、15年8月に再稼働)より4日遅れで玄海の審査を申請した。廃炉が決まった1号機、運転延長の判断をしていない2号機に燃料を装荷しない前提で審査しているため、将来2号機を再稼働する場合は、同時災害の想定などで改めて3、4号機の審査も必要になる。

 玄海3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電だが、審査書案には特段の記載はない。「厳しい新規制基準の下ではMOX燃料かどうかは議論にはならない」(規制委)としている。

 審査書案では、九電が申請当初、重大事故時の対策拠点となる緊急時対策所を免震重要棟内に設置するとしていたが、耐震構造に変更した経緯について、その理由が二転三転したことなどを記載した。会合で更田豊志委員は「大きな地震に耐えられる免震構造(の開発)は事業者として将来の努力目標ではないか」と指摘した。

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