北部地区住民検診についての住民監査請求を玄海町に提出する住民たち=玄海町役場

■「結果報告なく違法行為」

 東松浦郡玄海町が九州電力玄海原発周辺の地域住民を対象に長年実施してきた「北部地区住民検診」について、町民3人が9日、「検診結果が議会や住民に報告されず、報告書が破棄されたのは重大な背任的違法行為」として、岸本英雄町長と関係職員に対し検診に要した費用約2920万円などの町への支払いを求めて住民監査請求した。

 請求書などによると、北部検診は1975年の玄海原発稼働前の73年度から2010年度まで実施した。玄海町外津、今村地区と町外の唐津市鎮西町串地区の3地区で3年に1度ずつ、延べ約5千人弱が受診してきた。串地区は唐津市との合併後は実施せず、玄海町有浦地区に替わった。

 検診は唐津保健所長を責任者に唐津東松浦医師会、九州大学医学部の医師、地元医師でつくる地域保健対策委員会で当たってきた。オブザーバーとして九州電力も参加していた。

 検診結果について岸本町長は、今年3、6月議会で「特に他地区と疾病状況に有意差はなく、問題はないとの報告を以前受けていた」と明らかにした。報告書を公開しない理由を「医師団が回収した」「プライバシーに関わる」と議会で説明した。住民が10月に情報公開請求すると、町は「保存期間5年を経過し、保有していない」と回答した。

 請求人の一人で、議会で追及してきた藤浦晧町議は「非公開の理由が変化してきたのはおかしい。有意性がないのであれば、堂々と公開すればいい。原発と白血病との関係を指摘する学者もいる中、報告書は医学的見地からも価値があり、永久保存に値する」と話した。監査委員事務局は要件審査して受理するかどうか判断する。

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