2013年3月に報道陣に公開された玄海原発3号機の原子炉容器から燃料棒を取り出す作業。再稼働すれば使用済み核燃料の保管場所確保の課題が残る=東松浦郡玄海町(代表撮影)

■規制委員長「乾式貯蔵」対応促す

 再稼働に向けて原子力規制委員会から事実上の審査「合格」を得た九州電力玄海原発3、4号機(東松浦郡玄海町)は、使用済み核燃料プールの余裕がなく、再稼働すれば5年余りで運転できなくなる。規制委の田中俊一委員長は9日の会合で「対策をきちんと取ってもらう必要がある」と指摘し、九電が申請している燃料の間隔を狭めて保管スペースを増やす「リラッキング」は「望ましくない」と改めて難色を示した。

 田中委員長は、一定期間プールで冷却した燃料を特殊な金属製容器に入れ、外気で冷やす空冷式の「乾式貯蔵施設」での対応を促している。

 玄海原発は、ほぼ満杯になっている青森県六ケ所村の再処理工場に使用済み核燃料を搬出できない場合、再稼働後、4~5サイクル(1サイクル13カ月)で運転できなくなる。対策として東日本大震災前の2010年2月、3号機でのリラッキングを申請した。

 ただ、この申請は新規制基準に適合しておらず、いずれ何らかの対応をしなければならない。その中で、九電は乾式貯蔵施設建設について敷地内外で技術的な検討を進めている。

 田中委員長は会合後の会見で、福島第1原発事故でも乾式貯蔵施設に被害がなかった経験を踏まえ、「燃料をプールにたくさん入れておくのは好ましくない。リラッキングではなく、サイト内で乾式貯蔵すべき。世界的に見てもそういう流れだ」と強調した。

 今後、新規制基準の適合を目指してリラッキングの申請があった場合の対応は「個人的意見で判断を示すことはできない」としつつ、「事業者の姿勢として『より安全に』というのが基本的な要求だ」と述べた。

 九電は15年11月、佐賀県の理解を得ずに敷地内での乾式貯蔵施設の建設検討を公表したことで、地元から抗議を受けた経緯がある。田中委員長は「玄海は敷地が広く、用地確保の問題というより地元の理解を得られるかどうかだ。地元の批判は報道で知っているが、お叱りを受けても、安全な方法にしてもらいたい」と注文した。

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