労働紛争のあっせん例を基に意見を交わす県労委の委員ら=佐賀市のグランデはがくれ

 労働紛争をテーマにした「労使関係セミナー」(中央労働委員会、佐賀県労委主催)が8日、佐賀市であり、県労委の労使・公益委員らが2件のあっせん例を基に意見を交わした。企業の人事担当者や労働組合関係者ら110人が耳を傾け、良好な労使関係を築くための手掛かりを探った。

 県労委会長代理の富吉賢太郎・佐賀新聞社専務がパネル討議の司会を務めた。長髪を理由とした諭旨解雇の撤回を求めた集団紛争について、公益委員の前田和馬弁護士は「身だしなみは個々の価値観によって異なるため、合理的基準を設けにくい」と説明。同業者や第三者の意見を参考に適切かどうかを判断すべきと助言した。

 東京都労委の公益委員を務める水町勇一郎・東京大社会科学研究所教授は、国内企業で外国人労働者の受け入れが進む状況を挙げて「例えばイスラム教徒のスカーフは職場で認められるのか」と多様化する人材への対応の大切さを問い掛けた。

 パワハラでうつ病と診断された社員が職場環境の改善を求めた個別紛争では、水町教授が「復職が難しくなれば、労使にとって深刻で不幸なこと」として予防の重要性を強調。「裁判のように白黒付けるのではなく、労使が話し合いの中で問題を共有するプロセスが大事。労委の役割もそこにある」と述べた。

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