JR博多駅前の道路大規模陥没事故現場で続く復旧作業=10日午前、福岡市

 JR博多駅前の道路大規模陥没事故で、現場で工事中の地下鉄トンネルは天井高を約90センチ低くする設計変更が8月末に行われていたことが10日、分かった。トンネルより上を流れる地下水を遮蔽(しゃへい)するため、天井部は岩盤を2メートル以上残し掘削していたが、地層が傾斜し必要な厚さを残せないことが掘削前に判明したため。関わった専門家は「変更通りに施工されたか検証の必要がある」と指摘している。

 福岡市は10日、ライフラインを修復して14日に道路を通行可能にした上で、現場近くのビルに出している避難勧告を解除する考えを示した。

 市によると、天井高を下げたのは、岩盤を掘削して造ったトンネルを、駅を設けるため拡幅していた箇所の一部約15メートル区間。この区間を手掛けて約5メートル進んだ場所で陥没が起きた。

 掘削前に施工業者がボーリング調査したところ、トンネル上部の岩盤が、掘削方向に向かって左側が低くなる形で傾斜していることが分かった。専門家でつくる委員会に諮り、変更を決定した。委員長を務める九州大の樗木武名誉教授(都市計画学)は「改めて工事の工程や地層を調べ再発防止につなげなければいけない」と話した。

 一方、市は「拡幅箇所の地質がデータと整合するかを入念に確認しながら掘削した」としている。トンネル上部の岩盤の一部が粘土状だったことから、想定外のもろい部分に亀裂ができて地下水がトンネル内に流れ込んで事故につながった可能性があるとみている。

 市は10日、第三者委員会の設置も選択肢の一つとし、外部の意見も踏まえ事故原因を調べる方針を示した。9日まで市へ立ち入り検査した国土交通省は、付近の工事現場で2014年に起きた道路陥没の再発防止策も検証する。

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