幕末の佐賀藩が国内初の実用蒸気船として建造した「凌風丸」の復元に関して佐賀県は10日、「数多くの課題があり実現は困難」との考えを示した。復元に関しては、佐賀経済同友会が世界文化遺産・三重津海軍所跡(佐賀市)の魅力アップの方策として山口祥義知事や佐賀市の秀島敏行市長に提言しており、対応が注目されていた。

 同日の佐賀県議会決算特別委員会で、八谷克幸議員(自民)の質問に答えた。県では、復元の可能性について船舶に詳しい大学教授や造船業者、遊覧船業者に意見を聴いた。研究者や業者からは「船体の設計図がなく正確に再現できない」「有明海の干満差があって(遊覧船としては)定時運航ができない」「9月~翌年3月までのノリ漁期は漁船が航行し、横波による安全性の問題がある」などの意見が出されたという。

 さらに想定される遊覧ルートについて、旅行業者や県内在住の外国人にヒアリングしたところ「景色が魅力的ではない」との意見があったという。

 早津江川への係留に関しても、桟橋や護岸施設の整備が必要になるが、世界遺産の周辺は開発が規制されている。河川法でも流水の阻害要因になるような設備の設置は難しく、世界遺産推進室の福地弘寿室長は「何度か復元の可能性を検討したが、数多くの課題があり断念した」と答えた。

 同日の決算特別委では、青木一功(壮三会)、江口善紀(県民ネット)の議員も登壇し、総務関係の質疑を行った。

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