県議会議員の政務活動費の領収書などをホームページで公開するよう求めた味志陽子事務局長(右)=県議会棟

 市民オンブズマン連絡会議・佐賀(畑山敏夫代表理事)は10日、佐賀県議会の政務活動費に関する収支報告書や領収書など全ての資料を議会ホームページで公開するよう求める陳情書を中倉政義議長宛てに提出した。「不十分な制度が政務活動費の不正の温床をつくっている」と改善を求めた。

 全国のオンブズマンが都道府県や政令都市、市町などの112議会に対して一斉陳情した一環。佐賀県内では味志陽子事務局長ら2人が県議会を訪れ、事務局に手渡した。

 陳情書では、県民が閲覧するには平日の昼間に議会に来る必要があり、膨大な資料をコピーして持ち帰る場合は多額の費用がかかるなどの問題点を指摘した。対応する議会事務局職員の事務負担にも言及した。偽造請求が相次いだ富山市議会の例を挙げ、「領収書の写しを誰もが容易に入手できる制度が整っていれば、組織的で悪質な不正は防げた」としている。

 味志事務局長は「多くの人が政務活動費が支出されていることを知っているが、議会にやってきて中身の検証まではなかなかできない。負担を省くことで県民がより議会に近づけるし、いつでも閲覧できる状況なら議員も間違った収支報告はできない」と訴えた。

 県議会は本年度から、会派単位の政務活動収支報告をホームページで公開している。

■鳥栖、嬉野市既に公開 佐賀市は会派別、4市議会請求必要

 佐賀県内で政務活動費が交付されている県議会と7市議会のうち、鳥栖市と嬉野市は収支報告書や領収書を全てホームページで公開している。一方で、唐津市など4市議会は閲覧に情報公開請求が必要で、対応に大きな差がある。

 鳥栖市は1年半前にオンブズマンから指摘を受け、議会改革特別委員会で議論し、今年から2015年度分の収支報告書や領収書、視察・研修の報告書などを掲載している。

 嬉野市は4年ほど前から段階的にインターネットで公開する項目を増やし、昨年から領収書も含むようになった。佐賀市は5年前から会派の収支状況一覧や支出明細書を公開している。

 ネットに掲載せず情報公開請求が必要なのは唐津、神埼、武雄、伊万里の4市議会。

 ある議会事務局担当者は「公開するかどうかは最終的に議員次第」としつつ、「領収書には個人情報が含まれる場合もある。チェックには相当神経を使うことになる」と慎重な姿勢を示す。

 公開している鳥栖市の事務局は異なる。「個人情報を扱う総務課と確認しながら、印影を黒塗りにして掲載している」と話し、「資料の画像化など事務量は増えるかもしれないが、その分、市民が足を運ぶ手間を省くことにつながる」とみている。

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