地方創生に関する連携協定を結んだ佐賀市の秀島敏行市長(左から3人目)と各金融機関の代表=6月9日、佐賀市白山の佐賀商工ビル

 佐賀県内の金融機関が、地方創生に関する連携を強化するため、県や市町と協定を結ぶ動きが広がっている。少子高齢化が急速に進む中、人口減少に歯止めをかけなければ県内経済が活力を失い、自身の経営に悪影響を及ぼす恐れがあるからだ。金融庁が地方創生に貢献するよう求めていることも背景にある。

 「人口が減れば県内の企業活動が停滞し、融資先や貸出金が減っていく」。佐賀銀行(佐賀市)の担当者は危機感をあらわにする。自治体が地方創生の総合戦略で掲げる企業誘致や産業振興、都市からの移住促進は銀行にとっても重要課題となる。佐賀県のほか、鹿島市など7市2町と連携協定を結んでおり、「やれることを考えていく」と力を込める。

 佐賀市など3市1町と協定を結んだ佐賀東信用組合(佐賀市)は、自治体のがん検診などの受診者が優遇金利を受けられる定期預金の取り扱いを始めた。他地域からの移住者向けに、新築・住宅購入費を低利で融資する「定住促進ローン」も新設。「金融機関だからできる取り組みを続けたい」と語る。

 唐津市など5市と協定を結んだ佐賀共栄銀行(佐賀市)は、クラウドファンディング(CF)の推進に力を入れる。インターネットでアイデアを紹介し資金を募る仕組みは、総合戦略で掲げられるまちづくり、産業振興、新商品開発と相性がいいからだ。担当者は「自治体にCF推進会議に参画してもらうよう勧めている。実現すれば、そこに住む起案者のCF手数料が少なくなるメリットもある」と説明する。

 金融庁は昨年9月に発表した「金融行政方針」で地方創生への貢献を客観的に評価する目安を策定し、金融機関ごとの取り組みを検証してきた。今年10月にも地域経済の活性化を重視する方針を明確にしている。

 佐賀市、鳥栖市と協定を結んだ佐賀信用金庫(佐賀市)は「何を提案、実行できるかが問われている」。古里で働けば返済不要となる奨学金を考えた鹿児島県の金融機関の先進例を示し、「地元で就職し子育てできる仕掛けを検討したい」と語る。

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