損傷した架線を通過した影響で折れ曲がったパンタグラフ(右職員手前部分)=JR長崎線の肥前山口駅

地図

 11日午前、佐賀県内のJR長崎線と福岡県内のJR鹿児島線の計3カ所の架線で損傷が見つかった。復旧や点検作業のため長崎線で最大6時間、鹿児島線で最大10時間にわたり上下線で運転を見合わせ、特急列車108本を含む392本が運休し、乗客11万人に影響が出た。損傷箇所を通過した列車のパンタグラフが壊れ、そのまま運行して別の架線部分を傷つけ、被害が拡大したとみられる。

 JR九州によると、福岡県筑紫野市のJR鹿児島線下り線天拝山(てんぱいざん)駅-原田駅間で11日午前5時40分ごろ、架線の絶縁装置が何らかの原因で破断し、停電が発生した。この破損箇所を通った列車4本のパンタグラフが損傷し、長崎線の破損箇所を通った1本も同様に壊れているのが確認された。

 杵島郡江北町の肥前山口駅構内では午前8時ごろ、上下2本の架線を掛ける部分が数カ所外れているのが確認され、神埼郡吉野ケ里町の吉野ケ里公園駅構内でも架線の変形が見つかった。パンタグラフが壊れた下りの回送列車が両駅を通過した際、それぞれ架線を傷つけたとみられる。

 長崎線は復旧作業と架線の点検で、鳥栖駅から諫早駅(長崎県諫早市)までの区間で午後2時すぎまで運転を見合わせた。JR佐世保線でも大幅な遅れが出た。JR鹿児島線は門司港駅(福岡県北九州市)-鳥栖駅間で午後3時40分まで運転を見合わせた。主要な駅では、足止めを強いられた利用客らで混雑した。

 JR九州は同日中に管内の全線で、架線に設置されている絶縁装置全83カ所の緊急点検をした。破損箇所を通過した列車300車両程度のパンタグラフの点検も5日ほどかけて実施する。福永嘉之取締役は福岡市の本社での会見で「大規模な輸送障害を起こし申し訳ない」と謝罪した。

※佐賀新聞電子版(http://www.saga-s.co.jp/viewer/plan.html)に動画

このエントリーをはてなブックマークに追加