「経験したことがない」。JR九州がこう言及した、電流の絶縁を目的にした架線が断線するトラブル。JRは11日の会見で、11万人もの利用客に影響が及んだ事態を謝罪する一方、定期点検では問題が見受けられなかったことから「早期に異常を発見するのは難しかった」と釈明した。

 「デッドセクション」と呼ばれる架線の一部が破断し、そこに列車のパンタグラフが接触して断線したとみられる。絶縁されていないセクション両側の架線が地面に付いてショートし、停電につながった。

 JRによると、デッドセクションは6年おきに部品を取り変え、検査も毎年実施しているが、異常は把握できなかった。原因については「人為的なものや、老朽化が原因とは考えにくい」との説明にとどまった。

 架線の破損箇所を通過し、最初にパンタグラフが壊れたのは10日の最終列車。11日早朝の車両が通過するまでの時間をトラブル防止に生かせなかったことになる。福永嘉之取締役鉄道事業本部副本部長は「夜間に車両の点検は行っておらず、異常は分かりようがなかった」としつつ、「結果として大きな影響が出たので、反省する点はある」と述べた。その上で「断線したメカニズムを分析し、再発防止につなげる」と原因究明に全力を注ぐ考えを示した。

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