20XX年。宇宙への旅と言えば、何を想像するだろうか。無難な答えならロケット、アニメの世界が現実となり、宇宙船が登場するかもしれない。大手ゼネコン大林組では「宇宙エレベーター」実現へ、社内プロジェクトチームが活動している◆『「研究室」に行ってみた。』(川端裕人著)で紹介している。地球の自転と同じ周期の静止衛星から細くて強いケーブルを蜘蛛(くも)の糸のように垂らして地上と結びつける。人や荷物を載せた車両がケーブルに沿って上下するイメージだ◆担当者が言うには「ロケットは重力圏を抜けるために膨大な燃料費がかかるが、エレベーターなら運転コストは低いし、重い物も運べる」。壮大な計画を淡々と語るところがおもしろい。課題は山積しているが、研究の鍵を握るケーブルは頑丈なカーボンナノチューブの開発で見通しがつきそうだという◆突拍子もない夢物語に見えるが、SF作家小松左京は50年前の小説『果(はて)しなき流れの果に』で宇宙エレベーターを登場させている。『鉄腕アトム』が後のロボット研究に貢献しているように想像から科学は進化する◆あすは月が地球に最接近するスーパームーン。天気が心配だが、満月は見た目が大きく、それだけ明るさも増すという。いつか美しい月の上に宇宙飛行士でなくとも立てる日は来るのだろうか。(日)

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