ゆめタウン佐賀(右奥)を中核に開発が進んだ佐賀市兵庫北地区。整然と区画された道路沿いに大型商業施設やマンション、学校などが並ぶ(11月10日、ドローンで撮影)

土地区画整理事業が本格化する前の兵庫北地区。一帯には農地が広がっていた(2005年1月、自衛隊機から撮影)

開業以来初の増床に合わせて既存棟もリニューアルしているゆめタウン佐賀。菓子や洋服などの新店舗がいち早くオープンしている

「桜まつり」でライトアップされた夜桜を楽しむ兵庫北地区の人たち。新旧住民の交流も進んでいる(2015年3月)

【上】兵庫北地区の住宅街。区画道路は土地区画整備事業の指針に基づき、幅員6メートルを標準に整備されている/【下】区画内には中高一貫校の佐賀清和学園が2014年に新築移転。路肩には自転車レーン(青色)が整備されている

 佐賀市兵庫北地区のまちづくりが着々と進んでいる。土地区画整理事業が終了し、地区内にはマンションや戸建て住宅、商業施設などが集積。開発前に約620人だった地区人口は約9400人と15倍に増えた。地域経済に大きな変化をもたらし、「県都の重心が移った」(不動産会社社長)との声も聞かれる。開発の中核として地権者が誘致した大型商業施設「ゆめタウン佐賀」が、12月で開業10周年を迎えるのに合わせてまちの姿を追った。

 事業の対象面積は120ヘクタール。佐賀市では佐賀医科大(当時)を中心とした鍋島(93.4ヘクタール)、社会保険病院移転を盛り込んだ兵庫南(66.7ヘクタール)を上回り過去最大の土地区画整理で、全国でも屈指の規模となった。当初、学校を中心に事業規模を211億円としたが、経済情勢の変化から市が計画通りの推進は困難と判断。2003年に計画を大幅に見直し、事業費を170億円まで圧縮した経緯がある。

 当時、学校に代わって中核に据えたのが大型商業施設の誘致だ。九州最大級の売り場面積(約4万9千平方メートル)を持つゆめタウンの進出で事業は一気に加速し、一帯には結婚式場や温泉施設をはじめ、500を超える店舗や事業所が進出した。2014年には中高一貫校の佐賀清和学園も新築移転。兵庫北地区の基準地価は上昇し、今年は商業地、住宅地ともに県内で最高の伸び率となった。

 少子高齢化や人口減少が続く中、多くの地方都市が地域の活力を生み出そうと苦心している。財政難などで行政主導の開発が限界を迎える中、兵庫北地区の開発は、民間活力を取り込んだまちづくりの好例ともいえるだろう。

 ゆめタウン佐賀は22日、開業以来初の増床を終え、リニューアルオープンする。売り場面積は約9千平方メートル増えて約5万8千平方メートルとなり、運営するイズミ(広島市)の店舗で全国最大となる。この地区に再び、多くの目が注がれる。

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 16日付から「まちが動いた~ゆめタウン10年」を連載します。大型商業施設を核にしたまちの変遷と今に迫ります。

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