政府税制調査会は14日、配偶者控除見直しを明記した所得税改革の中間報告をまとめた。政府、与党は制度設計を本格化させ、控除で減税となる配偶者の給与年収要件を現在の「103万円以下」から「150万円以下」へ緩和し、パート主婦らを対象に減税枠を上乗せする案を軸に調整する。世帯主の所得が1千万円超の場合は対象から外す所得制限の導入も検討し、2017年度税制改正に盛り込む方針だ。

 年収要件の緩和は主に女性の就労拡大を促すのが狙い。配偶者控除を補完して年収103万円超の人の税負担を軽減している「配偶者特別控除」を拡大する手法を想定している。

 新たに導入する所得制限は税収減を避けるのが目的で、配偶者の年収ではなく世帯主の所得で線引きする。世帯主に着目した所得制限がない配偶者控除を見直し、配偶者特別控除と同様に、所得1千万円程度(給与年収で1220万円程度)を超える場合を適用除外とする案が有力だ。

 与党税調は年末に向け、控除適用の可否を判断する配偶者の年収と世帯主の所得に関し複数の組み合わせを検討する方針で、結論次第で世帯ごとの増減税は変わる。

 政府税調の中間報告は「103万円以下」という基準が「就業調整という喫緊の課題の一因ではないかとの指摘に対応する観点から(年収要件の)引き上げも一案との意見があった」と明記。103万円を基準に支給する企業が多い配偶者手当の見直しも訴えた。

 ただ、中里実会長は総会後の記者会見で、引き上げ案が政府税調としての結論ではないと述べ「制度設計は政治プロセス(でやること)だ」と与党の議論に委ねた。中間報告では所得税全般の中期的な改革の方向性も示し、高所得者の控除縮減などによる「所得再分配機能の回復」を求めた。サラリーマンと自営業など職種によって異なる控除の仕組みを簡素化し、基礎控除などを手厚くすべきだと主張。年金など老後を支える制度への公平な課税の必要性も強調し、将来の改革へ布石を打った。【共同】

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