大気汚染物質によってかゆみの感覚神経を伸ばす体内のタンパク質が増え、アトピー性皮膚炎を引き起こす仕組みを東北大などの研究チームがマウス実験で突き止め、15日付の英科学誌電子版に発表した。

 アトピー性皮膚炎の患者は工業化に伴い増えることが世界各国で報告されているが、原因は分かっていなかった。現在は免疫抑制剤を皮膚に塗る対症療法が主な治療方法で、山本雅之教授(医化学)は「新たな薬の開発が期待できる」と話している。

 チームは、すすなどに含まれる大気汚染物質と結合し活性化する「AhR」というタンパク質に着目。AhRを失わせたマウスと、正常なマウスの皮膚に、数週間にわたり大気汚染物質を塗って観察した。

 すると、正常なマウスはAhRがないマウスより、かゆみの感覚神経を伸ばすタンパク質「アルテミン」が4~5倍多くなっていた。

 チームによると、汚染物質と結合してAhRの動きが活発になり、アルテミンが増加。感覚神経が表皮近くまで伸びてかゆみを誘発し、アトピー性皮膚炎を引き起こす。

 さらに、表皮をかいてできた傷から異物が侵入、かゆみが増すという。【共同】

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