■事故相次ぎ不安根強く

 政府が佐賀空港への配備を計画しているオスプレイとは、そもそもどのような航空機なのか。

 元々は米軍の新型主力兵員輸送機で、全長17・5メートル、輸送兵員数24人。最大の特徴は、両翼のプロペラ部分の角度を変えることによって、ヘリコプターのように垂直に離着陸ができて、固定翼機のように高速で遠くに飛べることだ。

 最高速度は時速約520キロ。空中給油1回の行動半径(往復可能距離)は約1100キロで、九州・沖縄から朝鮮半島や東シナ海、南シナ海をカバーできる。政府は中国などをにらんだ防衛態勢強化のため、陸上自衛隊に17機を2018年度末から順次導入する予定だが、機体の安全性を不安視する声が根強い。

 防衛省の公表資料によると、オスプレイは開発段階からこれまで8件の墜落事故を起こし、38人が死亡した。米軍が本格運用した07年以降では、10年4月にアフガニスタン、12年4月モロッコ、同6月米フロリダ、15年5月米ハワイで墜落している。14年10月にはペルシャ湾で離陸直後に出力を失い、脱出した乗組員が1人死亡しており、本格運用後の死者は9人になる。

 オスプレイは、垂直離着陸と水平飛行の間の「転換モード」で不安定になるとされ、12年の2件の事故はいずれも転換時に起きた。15年のハワイの事故は着陸時に巻き上がった砂をエンジンが吸い込み、出力が低下して墜落した。

 深刻な事故を繰り返すオスプレイについて、米の専門家からも構造上の欠陥が指摘されている。防衛省は地元説明で、12、15年の墜落事故は3件とも「人的な要因が大きく、機体の安全性に問題はない」と強調する。それでも住民の不安は取り除かれてはいない。

 防衛省が安全性を説明する際の根拠としているのが「事故率」だ。10万飛行時間当たりの重大事故(死者や200万ドル以上の損害)の発生数で表され、オスプレイは他の米軍機と比べて低いと主張している。

 九州防衛局が9~10月に佐賀市川副町などで行った住民説明会の資料には、米軍の03年10月~12年4月のデータが用いられた。12年10月に米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)にオスプレイが配備された際の説明資料と同じで、オスプレイの事故率は1・93件。同時期の海兵隊全航空機の平均2・45件を下回っている。

 ただ、佐賀県が最新の事故率の提示を防衛省に求めたところ、15年9月末現在で2・64件だった。

 また、これらの事故率は海兵隊仕様のMV22だけが対象で、アフガンやフロリダで墜落事故を起こした空軍仕様のCV22の数値は入っていない。両機体の構造はほぼ同じであるのに、空軍仕様を外した理由について防衛省は「空軍仕様の飛行時間が10万時間に達しておらず、意味のある数値を導き出すことが難しいと米政府から説明を受けたため」としている。空軍仕様の事故率は14年9月末現在、約4万2千飛行時間で7・21件になる。

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