「唐津幼稚園百周年記念誌」で自身の昭和13年度の卒園写真を指さす松尾武彦同窓会長

100周年を迎えた唐津幼稚園の園舎。手前が大型遊具の2代目「しろくまちゃん」=唐津市西城内

■20日に式典、同窓会が記念誌発刊

 唐津市西城内にある唐津市立唐津幼稚園(加茂律子園長)が佐賀県初の公立幼稚園として設立され、今年で100周年を迎えた。これまで巣立った園児は1万879人。20日に記念式典を開き、卒園写真を集めた記念誌を発刊するなど“100歳”を盛大に祝う。

 同園は1912(明治45)年に唐津町婦人会が幼児教育の必要性を説いて十人町に設立。だが経費不足で行き詰まり、17(大正6)年に唐津町立として現市役所に唐津尋常高等小学校付設として開園された。

 日本近代教育史に詳しい唐津市の稲葉継雄教育長(69)=九州大名誉教授=は「強い国を目指して義務教育に膨大な力が注がれた時代で、反動として就学前教育はないがしろにされていた。唐津にも保育所はあったと思うが、全国的にも幼稚園は宗教団体や事業家の善意で民間の一部で実施されていたに過ぎない」と当時を語る。

 3年後に独立して現市民会館に園舎を建設。戦時中は休園したり、戦後は保育園への切り替えが議論されたりしながら歴史を積み重ね、1969(昭和44)年に現在地に移転した。

 こうした歩みをたどる記念誌(123ページ)を同窓会を中心とした記念事業実行委員会が手がけた。1期生から本年度末に卒園する100期生まで254クラス中234クラスを掲載した労作。100歳になる6期生へのインタビュー、40周年記念事業で建てられた大型遊具「しろくまちゃん」の完成秘話なども収録している。

 幼稚園に同窓会があるのも珍しい。実行委員長で28年間にわたり同窓会長を務める松尾武彦さん(84)は「『なんで幼稚園に同窓会?』と笑われたりするが、愛園精神が強く、くんちと同じで結びつきも強い」と話す。

 現状に目を移せば、岐路の中で迎える節目でもある。在園児は49人。民間幼稚園との兼ね合いや財源の問題から、送迎バスや給食といった保護者ニーズに応えられず、定員(150人)割れになっている。

 県内には国公立幼稚園は12園あり、来年度は2園減る見通し。もう一つの唐津市立の厳木幼稚園は、保育園との統合民営化の方針が示されている。唐津幼稚園についても市は今月末に設ける将来構想審議会(仮称)で今後のあり方を論議し、「年度内に方針を示していきたい」としている。

 市主催の記念式典は20日午前10時から唐津市民会館であり、各世代の卒園生4人が思い出を語り、園児のアトラクション披露などがある。記念誌は式典会場で2千円で販売する。

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