2014年4月に報道機関に公開されたフリーゲージトレインの試験車両。同年11月に部品の不具合が見つかり耐久走行試験を中断している=熊本県の熊本総合車両所内

 九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が遅れている問題で、改良した試験台車で車軸が摩耗する不具合対策に一定の効果はあったものの、本年度内を目指していた耐久走行試験の再開については結論を先送りする可能性が出てきた。国土交通省が18日に開く専門家による技術評価委員会で、こうした考えを報告し、最終判断を仰ぐ。

 部品の摩耗といった新たな不具合や採算性の課題が残っているとして来夏まで改良台車の検証や対策の検討を続ける可能性が浮上している。

 新幹線のレールと軌間変換装置、在来線レールの3カ所を行き来し、営業車の検査目安とされる走行距離60万キロ程度に耐えうるかどうかを調べる「3モード耐久走行試験」。FGTはこの試験中だった2014年11月下旬に車軸付近が摩耗するなどの不具合が判明、試験を中断した。

 開発主体の鉄道・運輸機構が今年5月から改良した台車を使って屋内で検証試験を実施した結果、摩耗対策に一定の効果は認められた。ただ、実際の走りを想定して積載荷重を増やしたケースで摩耗が見られ、ただちに耐久走行試験を再開するのは困難との見方が出てきている。

 その結果、車軸の交換などに伴うメンテナンス費用がかさみ、採算性も問題になる。関係者は「開発の基本方針そのものに変わりはないが、導入スケジュールは見通せなくなってきた」と話す。

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