紅葉目当てに登山を楽しむ人も多い季節。「山ガール」が増え、登る女性の姿が山のイメージを変えている◆企業の風景も変貌し、女性が働きながらの子育てが当たり前の時代に。中でも女性社員が8割を占める資生堂は育児支援に手厚い。そこを源に昨秋、激震が走った。いわゆる「資生堂ショック」として報じられた◆育児中に勤務時間を縮められる短時間勤務の方針を見直し、個人の事情に応じて土日や平日の夜にも働いてもらうことにしたのである。育休取得者が年間千人を超える同社では背景に、子育てしない社員から「しわ寄せがくる。不公平」との声が上がっていた。しかし、この転換に「働くお母さんに厳しい」との世間の批判もあった。トップランナーゆえの苦しみだろう◆その資生堂が事業所内保育所の運営受託を手掛ける会社を、別の企業と共同出資で設立する。保育所を新設して新会社にまかせ、全国展開を目指す。もう子育て支援は企業の福利厚生というより、経営戦略そのものだ。育休は企業に負担かもしれないが、ビジネスに発展させることで心地よく育児ができる知恵が光る◆人生は山登りに例えられる。子育てという大切な重い荷を懸命に背負う人が、その荷を身近な人と分かち合うだけでなく、企業や社会が担うことで、一歩一歩登ることができればと思う。(章)

このエントリーをはてなブックマークに追加