鳥栖―仙台 後半11分、追加点を決め、両手を広げて走り出す鳥栖FW豊田陽平選手(中央)=宮城県のユアテックスタジアム仙台

鳥栖―仙台 仙台を2―0で下し、開幕戦以来の勝利に喜ぶ鳥栖のマッシモ・フィッカデンティ監督(中央)=宮城県のユアテックスタジアム仙台

鳥栖―仙台 前半21分、ゴール前で相手選手に囲まれ、厳しいマークを受ける鳥栖FW豊田(中央)=宮城県のユアテックスタジアム仙台

 「ようやく勝った」―だれもがほっと胸をなでおろした一戦でした。アウェーのベガルタ仙台戦は2-0の完勝。開幕戦以来の勝ち星を挙げることができ、心弾むゴールデンウイークの始まりになりました。

 今季リーグ戦8戦目にしてアウェー初勝利です。残念ながら現地に行くことはできなかったものの、佐賀市の「ザ・サガン」で約70人のサポーターとともにテレビ映像へ向かって声援を送りました。スタジアム観戦とは臨場感が違うものの、リプレイなどでプレーの細部まで確認できる。豊田とヘディングで競り合う相手が必ずと言っていいほどひじを当てているのを見て憤慨したりするのも観戦会ならではです。

 今季のサガンはボールポゼッションが持ち味。この試合でもキックオフとともに全員が躍動し主導権を握った。FW岡田がアグレッシブに動き、守備にも駆け回った。キム・ミヌやチェ・ソングンが突破を図り、吉田、藤田の両サイドバックも果敢にスペースを突いてクロスを上げた。前半終了間際のPKは、そうした圧力の賜物だったでしょう。

 開幕戦の後、内容はいいのに勝てないゲームが続いてきた。「これ以上勝ち点を落とせない」という思いはサポーターだけではなかったでしょう。試合の流れを決めるキッカーは豊田しか考えられない。「きっと決めてくれる」。そう思いつつも、鼓動は早鐘を打つようでした。

 相手GKは時間を使って明らかに心理戦を仕掛けている。それをものともせず豊田のけったボールはGKの逆を突いてネットを揺らした。その瞬間、観戦会場は歓呼と拍手が沸き起こりました。ちょっと控えめな喜び方になったのは、流れの中から次の1点を期待していたからです。

 2点目を取れば勝利はほぼ手中にできる。その期待は後半11分にかないました。FKやCKで攻めた後、左サイドから吉田がゴールに向かってクロスを入れ、豊田が頭で合わせてゴールを決めた。開幕戦の1点目を思わせる動きでした。みんなはハイタッチしたり、飛び跳ねてエースの複数得点を喜び合いました。

 安定した試合は短く感じられます。23分には岡田が中央でシュートを放ったが、惜しくもポストに阻まれた。得点チャンスはアディショナルタイムにもあったけれど、サポーターとしてこの上は「完封」が望みでした。

 退場者を出し10人になった仙台はセットプレーやミドルの位置から狙ってきたが、GK林を中心に守備陣は耐え抜いた。終わってみれば相手シュートは3本。スプリント回数も走行距離もサガンが勝り、11キロ台を走った選手も何人もいた。自分たちから動いてゲームを作ったことがデータ上にも表れていました。

 ずっと「やっていることは間違いない」と信じていたけれど、正直、早く結果がほしかった。観戦会はじゃんけん大会で締めくくり、みんなほっとした笑顔で散会しました。第1ステージも中盤。今節で降格圏を抜けて14位に浮上。これから勝ち点を取り戻す戦いが続きます。

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