全面開業までのスケジュールは大丈夫か-。九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の開発が遅れている問題で18日、耐久走行試験の再開延期が決まった。開業効果による地域振興に期待する佐賀県や沿線自治体は、技術開発の行方が見通せない現状に気をもんでいる。

 「安全を図る上では産みの苦しみがあるのではないか」。この日の技術評価委員会の判断を受け佐賀県の副島良彦副知事は、技術開発の遅れに一定の理解を示した。その上で、来年初夏をめどに結果を取りまとめる検証走行試験が実施されることに関し「スケジュールに全く予想していなかった6カ月間が入ることで、全面開業時期に影響があるのかどうかを心配している」と述べた。

 もともと225億円以上の巨額負担が生じる佐賀県にとって、関西圏から乗り換えなしで誘客するFGT導入は譲れない。副島副知事は21日に国交省から説明を受ける際に「しっかりと技術開発をしていただくことと、(暫定開業時期などを盛り込んだ)6者合意をきちんと守ってもらえるように申し上げる」とくぎを刺した。

 在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」で、武雄温泉駅に対面乗り換えが導入される武雄市の小松政市長は、耐久走行試験の延期に「FGT運行に不安を持つ。同じように感じる人も多いのではないか」と感想。フル規格を求める機運が高まる可能性について、FGTの技術開発次第という考えを示した。

 嬉野市の谷口太一郎市長は、2022年度の暫定開業時のFGT先行車の導入に関し「営業走行が見通せないとなると遅れる懸念はある」と不安視する。ただ、国交省はFGT開発スケジュールに影響はないと説明しており「開業の時期は変わらないので、このまま新駅周辺のまちづくりを進めるだけ」と語った。

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