ギャラリーマグで出品した直線的なフォルムが特徴的なデミタスカップやポットを前に、1カ月間の充実した個展を語る深川惠以子さん=有田町のチャイナ・オン・ザ・パーク

■有名画廊で500点展示、現地で創作新たな試みも

 深川製磁のデザイナー兼常務、深川惠以子さん(63)が10月8日まで1カ月間、フランス・パリの権威ある画廊「ギャラリーマグ」で個展を開いた。その成果についての報告会が有田町のチャイナ・オン・ザ・パークであり、「手応えがあった」と深川さんは振り返った。

 ギャラリーマグはこれまで、マティスやシャガール、ミロなど現代アートの巨匠を続々と世に送り出してきた。深川さんは、モノクロを基調としたデミタスカップやポット、プレートなどの磁器のほか、鉄と磁器という異素材を組み合わせ新たな価値を探った花器、現地でも創作に取り組んだ絵画など、計500点を展示した。

 個展は、県の有田焼400年事業の一環で2014年からフランスの国際見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展してきた中で、マグからのオファーで決まったという。「3年間の歩みを象徴する個展。400年を見つめ直し、次の400年へのスタートも切れた」と振り返った。

 深川さんは、ギャラリーの経営者でフランスのアート界でも重鎮とされるイザベル・マグさんとの濃密な時間を振り返り、「世に残るべき、継承されるべき芸術や伝統を応援しようとする人々のコミュニティーを感じた」と、欧州の文化的な土壌を表現。

 また、「個展をきっかけに新たな取引も生まれた」とした上で、「ビジネスが成立しないと伝統も継承できないが、互いを尊重し合ったビジネスこそが、継続的に成り立っていくことも実感できた」と語った。

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