自民党内で全国農業協同組合連合会(JA全農)改革を巡り、農林族議員を中心に反発が強まっている。政府の規制改革推進会議の農業ワーキング・グループ(WG)がまとめた提言が「急進的」だとして、環太平洋連携協定(TPP)が争点となった夏の参院選に続き、次期衆院選で農業票離れが加速するとの懸念が広がっているためだ。

 WGは11日、JA全農に今後1年以内の組織や事業の刷新を求め、改革が進まなければ国による「第二全農」の設立まで突き付ける提言をまとめた。7日の規制改革推進会議で安倍晋三首相は「生まれ変わるつもりで組織を刷新してほしい」と表明していたが、提言を受け党内では「絶対に認められない」(農林族議員)と批判が噴出した。

 改革に前向きな小泉進次郎・党農林部会長も15日、提言について「批判されて当然の内容もある」と困惑の表情を浮かべた。「岩盤規制改革」の柱に農協改革を掲げる首相は、党も改革方針をまとめるよう指示し、着地点を探る方向だ。

 その後も党所属の参院議員約60人が連名で、提言を批判する決議文を農林水産省に提出するなど混乱は続いている。

 背景には自民党の集票マシンとなるJAグループの動向もある。JA関係者は議員事務所を回り、提言に反対するよう陳情を活発化。参院選ではTPPへの反発から、東北地方で同グループの政治団体が推薦を見送るケースが続出した。自民党は秋田を除く5県で野党に敗れた。

 早期の衆院解散論が依然くすぶる中、中堅議員は「党はTPPで深い傷を負った。提言通りに進めば、農業票は取り戻せなくなる」と警戒している。【共同】

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