鳥栖-名古屋 前半6分、鳥栖FW豊田(中央)がヘディングシュートを決め、集まって喜ぶ鳥栖イレブン=愛知県のパロマ瑞穂スタジアム

 アウェーの名古屋グランパス戦はFW豊田のダイビングヘッドで奪った1点を守りきって、ようやく今季3勝目となりました。浦和、神戸との2戦は引き分けたものの、6試合勝利から遠ざかっていたから、心底から勝利の素晴らしさを味わえた一戦でした。

 得点場面は前半6分。向こうのサイドだったためゴール裏からは誰が決めたのかも分からなかった。ただ、富山の鋭いCKから弾丸のようにボールがネットに突き刺さるのは見えた。すぐに豊田のチャントと富山コールが始まり、エースの得点だったことを知りました。(足で合わせたのかと思ったけれど、あとで映像をみると頭から飛び込むような低いヘディング。まさに勇気あるプレー)。

 その後もゴールチャンスが何度もあった。トップ下の鎌田が巧みなスルーパスで前線を活性化させていた。自らもゴール前に切れ込んでシュートも放ち、サイドのキム・ミヌ、福田も次々と前線に飛び出してくる。攻撃のバリエーションはこれまでにないわくわく感がありました。

 名古屋の攻撃はFWシモビッチが軸。体格のいい選手の中でも肩から上が抜け出たような長身で、CKやFKの場面は「どう防ぐのか」と手に汗を握る感じでした。相手のクロスを谷口やキム・ミンヒョクが競り合いながらはね返すたび、「よしクリア」と思わず声が出る。

 特に終盤は名古屋のFKが増えて防戦に追われる時間帯が続き、必死でGK林にコールしました。相手は遠めからも果敢にシュートを狙ってくる。林が一度弾いたボールを詰められる間際に押さえ込んだときは「よく取った」と夢中で叫んでいました。

 後半40分近くになると名古屋のミスも目立ちだし、「もう少し。いけるぞ」。3分のアディショナルタイム中もみんなが声を振り絞ってチャントを歌いました。終了の合図の瞬間、サポーターの間から悲鳴にも似た歓声が上がり、みんなが両手を突き上げ、そして体中で喜びを表していました。

 得点が早かっただけに90分は長かった。思えば一瞬一瞬の攻防に夢中になっているなかでも、いろんな場面がありました。印象に残ったのはサイドバックの藤田がゴール前で相手の突破を冷静に阻んだプレー。守護神のスーパーセーブだけではなく、全員が集中を切らさなかったこそ手中にできた勝利です。

 ゴール裏は豊田、富山、藤田たちにコールを送り、けがから復帰したミヌを祝福しました。走行距離やスプリント回数は名古屋を上回り、個人別では高橋、福田、ミヌが12キロ超え。FW2人は11キロ、吉田、藤田の両サイドバックも10キロ超。データ上からも選手たちの奮闘ぶりがうかがえます。

 試合後は貸切バスでスタジアムを出る選手たちを見送り、タオルマフーを掲げてたたえつつ誇らしさでいっぱいでした。この勝利で15位に踏みとどまることができた。厳しい状況は変わらないものの、第1クール残りのガンバ大阪、新潟にも恐れず戦おうという勇気が湧いて来ました。

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