国内線が1日6便、国際線が週6便就航している佐賀空港。オスプレイ配備と目達原駐屯地のヘリ部隊の移駐による民間機運航への影響について、防衛省は「支障は出ない」としている=佐賀空港(2014年8月撮影)

 佐賀県は諾否判断の前提条件として「民間空港としての利用、発展に支障がない」ことを挙げる。防衛省は、オスプレイ17機と目達原駐屯地(神埼郡吉野ケ里町)から移駐するヘリ50機の運用について、目達原駐屯地での実情を踏まえて予測し、民間機の将来利用予測と照らし合わせてみても「支障がない」としている。

 佐賀空港には現在、国内線が1日6便(羽田5便、成田1便)、国際線が週6便(上海、ソウル各3便)就航している。

 防衛省が2014年11月に示したシミュレーションによると、自衛隊機を運用する午前8時~午後5時で、民航機の離着陸回数が最大27回(14年11月時点は最大8回)、個人所有の小型機が27回程度(同最大18回程度)と想定。自衛隊機を60回程度とした場合、利用可能時間540分に対し、民航機・小型機・自衛隊機の滑走路占有時間は474分で、まだ66分の余裕があるとした。

 さらに「民間機の定時性(ダイヤ通りの運航)を確保するとともに、遅延や早着、増便などがあった場合や利用時間が重複する場合は、民間機を優先する」と言明、民間空港としての利用を尊重する考えを示す。

 当時の古川康知事(現衆院議員)は、県で防衛省の試算を精査した結果、「現在、そして近い将来に支障がないことを確認した」と答えた。

 県は翌15年9月、佐賀空港の将来ビジョンを策定、10年後の24年度には国内線が1日12便、国際線が1日最大5便の就航を想定する。九州防衛局は再試算し、滑走路占有時間が当初想定より44分長い519分と算出、利用可能時間の余裕は21分に縮小した。

 25年度以降には国際線で東南アジア、南アジアへの路線開設、国内線も増便を目指している。計画通り実現するかは不透明だが、実現した場合、自衛隊機の利用想定を見直さなければ民間機利用に影響を及ぼす可能性も考えられる。

 県は、14年に自衛隊機の年間着陸回数が千回以上の「軍民共用」の全国7空港を対象に調査を実施した。県管理が秋田と名古屋、国管理が熊本、新潟、那覇、八尾(大阪府)で、自衛隊基地を民間機が使っている小松空港(石川県)は防衛省管理。いずれも「民間航空の利用に支障は出ていない」としている。

 利用回数をみると、7空港は民間機の利用が自衛隊機を上回っているが、佐賀空港は民間機などの年間離着陸回数約1万500回(15年度)に対し、自衛隊機は約1万7千回。自衛隊機利用の方が多くなる状況から、民間空港としてのイメージへの悪影響を懸念する声もある。

 7空港にはパイロットに離着陸の指示権を持つ「管制官」が配置されているが、佐賀空港は指示権がない「運航情報官」で、複数機の同時離着陸に対応するには管制官の配置が必要になる。また、滑走路とターミナルビルを行き来するための平行誘導路がない。設置されていれば滑走路占有時間を短縮でき、過密な利用に対応しやすくなる。

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