生徒にハンセン病の差別の歴史と自身の体験を話す平澤さん=佐賀市の城西中

 ハンセン病元患者で、国立ハンセン病資料館(東京都東村山市)の運営委員を務める平澤保治さん(89)が21日、佐賀市の城西中で講演した。平澤さんは療養所に隔離され、母親の死にも立ち会えなかった体験などを語りながら、親との絆や命の大切さを訴えた。

 平澤さんは13歳の時にハンセン病と診断され、14歳で東村山市の国立療養所多磨全生園に入所した。「ハンセン病は当時、悪いことをした人がかかる病気、感染病だと思われていた」と説明。療養所では外出も許されず、「死んで煙にならないと家に帰れない」と言われたことなどを語った。

 平澤さんは「私はできなかったが、皆さんは家族のおかげで勉強できている。両親に感謝して」と呼び掛け、後遺症で動かなくなった手を見せて「この手も赤ちゃんをあやすのに役立つように、人には必ず何か価値がある。役に立たない人などいない」と訴えた。

 同校は昨年からハンセン病を通して人権教育に取り組んでおり、講演には2年生94人が出席した。講演を聴いた山本妃花(ひな)さん(14)は「日本で実際にあったことだとは信じられない。差別や偏見をなくすため、物事を正しく知ることが大切だと思う」と話した。

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