技術評価委員会の結果について県に説明する国交省鉄道局の水嶋智次長(左から2人目)=県庁

 九州新幹線長崎ルートに導入予定のフリーゲージトレイン(軌間可変電車、FGT)の耐久走行試験延期に関し、国交省は21日、佐賀県の副島良彦副知事らに判断の経緯や今後の方針を説明した。FGTの先行車を一部導入して2022年度に暫定開業する計画について、同省は「スケジュールの遅れは現時点で考えていない」と強調した。

 水嶋智鉄道局次長ら4人が県庁を訪れ、18日に開かれた技術評価委員会の結果と年度内再開を目指していた耐久走行試験の延期について説明した。

 説明は非公開。国交省や県によると、車軸部品の不具合を改良した台車の屋内走行試験で、荷重をかけた試験の際、台車の揺れや摩耗が確認され、「耐久走行試験に移行する条件が満たされていない」と判断したことなどを報告。屋内試験は「極めて過酷な条件でやった」とし、検証の意味でも半年をかけて実際の線路で試験をして、耐久走行試験の再開について判断する考えを説明した。

 在来線特急と新幹線を乗り継ぐ「リレー方式」での22年度暫定開業などを盛り込んだ関係機関6者による合意内容についても「変更はない」とし、暫定開業に合わせた大町-高橋間の複線化も予定通り実施する考えを示したという。

 説明後、水嶋次長は「検証試験を精緻に行うことで耐久走行試験のプロセスが一部省略できる」などとし、22年度の先行車導入、25年春以降の量産車での全面開業のスケジュールに変更はないと強調した。

 副島副知事は「いくつか事務的に詰める部分はあるが、大方、明らかにしてもらった」と国の説明を評価しつつも、「現場で一つでも事象が分かれば、逐次報告をお願いしたいと申し入れた」と話した。水嶋次長は長崎県庁でも中村法道知事に説明した。

このエントリーをはてなブックマークに追加