再び福島、東北が揺れた。テレビからは緊迫した警報が聞こえ、早朝から目が離せなかった。「津波!にげて!」の文字が映し出され、「逃げてください。3・11を思い起こしてください」と、アナウンサーが差し迫った口調で呼び掛ける◆「天災は忘れたころにやって来る」というが、忘れるどころか、5年半しかすぎていない東日本大震災の記憶が生々しい。大津波に家や車が次々にのみ込まれる映像が、頭にこびりついている。今回も津波予報の高さがどんどん引き上げられていった◆宮城県の仙台港で1・4メートルを観測した。ひざくらいの津波でも、大人は立っていられないとされる。でも、「3・11」の教訓がある。多くの人が高台に逃げて大事に至らなかったのが何よりだった。あの時、津波の最大遡上(そじょう)高は数十メートルともいわれた◆今年1月、訪れた仙台空港の柱には、津波到達の高さ3・02メートルのところに表示があった。復興したきれいな空港にも爪痕が残りドキリとしたが、多くの命を救いたいとの願いを感じた。過去に学ぶことの大切さである◆それにしても地球の奥底で何かが起こっているのでは、と思わせる。今年だけでも熊本、鳥取と大地震が発生し、海外ではイタリア、ニュージーランドが被災した。東北の終息を願いながら、こちらも油断せず、必要な備えをしたい。(章)

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