自衛隊の新型輸送機オスプレイが佐賀空港に配備された場合、目達原駐屯地(神埼郡吉野ケ里町)から移駐してくるヘリコプターを含めて、どのように運用されるのか。地元は防衛省に対して詳しい説明を求めているが、防衛に関する情報という事情もあり、十分な回答は得られていない。

 防衛省はオスプレイ17機とヘリ約50機を、2019年3月から順次配備していく考え。滑走路を利用するのは平日午前8時~午後5時の年間290日程度で、約70機全てを運用した場合、別の基地から飛来する「外来機」も含めた離着陸数は年間約1万7千回、1日当たり約60回になる。夜間(午後10時まで)の離着陸訓練は5日に1回の頻度で行われる見込み。

 訓練は、空港一帯でのホバリング訓練や基本操縦訓練、主に九州内の陸自演習場で行う部隊訓練が想定されている。防衛省は県の要望を受け、訓練先までの基本的な飛行経路を例示。河川や高速道路などに沿って市街地を迂回(うかい)しながら、各演習場や水陸機動団が配置される相浦駐屯地(佐世保市)へ向かうとしている。

 また、防衛省は佐賀市議会に対し、目達原のヘリが行っている脊振山付近(佐賀市、神埼市郡)での低空飛行訓練を、佐賀空港に移駐した後も継続する考えを示している。オスプレイでも同様の訓練を想定している。前年度、目達原のヘリは脊振山付近で、高度150メートル以下の低空飛行訓練を103回実施した。

 佐賀空港周辺の上空には、自衛隊機が円滑に離着陸するための飛行経路が設定されている。通常は空港南側の海上を高度300~500メートルで周回するが、緊急時などやむを得ない場合は、住宅地がある北側を飛行することもある。

 6月、防衛省の若宮健嗣副大臣が来佐して県に駐屯地予定地の施設配置案を提示した際、「九州の防災拠点」として活用するという新たな考えを示した。4月の熊本地震など、米オスプレイが災害救援活動に投入されている実績を踏まえた発言だが、駐屯地に防災機能に特化した施設が整備される予定はない。

 一方、ヘリ部隊が移駐した後の目達原駐屯地はどうなるのか。防衛省は、所属する全てのヘリ約50機と隊員500~600人を佐賀空港に移した後も、補給基地としての機能は残し、物資輸送のためのヘリの出入りはあると説明する。訓練飛行での離着陸の有無については未定という。

 地元の吉野ケ里町や三養基郡上峰町は、暮らしや財政への影響を見通すための情報提供を防衛省側に求めている。現段階では、「防衛上の問題」や「地元の了解が得られていない」などとして明確な回答は返ってきていない。吉野ケ里町企画課は「情報が入ってこない中、もやもやしながら推移を見守るしかない」。町の将来像を描けないまま、中ぶらりんの状態が続いている。

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