自民、公明両党の税制調査会は24日、2017年度税制改正の焦点となる所得税の配偶者控除見直しで、控除が受けられる配偶者の給与年収要件を現在の「103万円以下」から「150万円以下」に引き上げる方向で最終調整に入った。年収150万円超の配偶者がいる世帯には控除額を最高の38万円から段階的に縮小し、年収201万円に達するまで減税枠を適用。決定すれば18年1月から実施する。【共同】

 パートで働く主婦らに適用を広げた上で税収を維持することを目指し、世帯主の所得が900万円(給与年収は1120万円)を超える場合は適用除外とする方針だ。ただ所得制限で増税となる世帯の負担を緩和するため、所得900万円前後から控除額を徐々に減らす仕組みも検討している。

 現在は、配偶者の年収が103万円以下の場合に38万円の配偶者控除を受けられる。103万円超141万円未満の世帯には、控除額が段階的に減る配偶者特別控除を適用している。今回の見直しはこうした枠組みを踏襲した上で、特別控除を拡充する形で対応する。年収150万円までは38万円の控除を認め、150万円超201万円未満の世帯には控除額を段階的に縮小していく。

 13年の統計に基づくと、パートで働く妻の約86%が年収150万円の枠に入る。財務省の試算では、地方税の住民税を含めて控除を見直した場合に減税となるのは300万世帯強。世帯主の給与年収が500万円の世帯で年5万2千円、年収1千万円では年10万9千円の負担が減る。一方、これまで控除を受けていたものの所得制限により増税となるのは100万世帯だ。年収1500万円のケースで年15万8千円の負担増となる。

 自民党税調は24日の会合で「150万円以下」への引き上げ案で大筋一致した。宮沢洋一会長は会合後、年収要件のない夫婦控除の創設は困難だとして「配偶者控除は残さざるを得ない」と説明した。公明党税調総会で斉藤鉄夫会長は「今年できることはしっかりやる」と述べたものの、議員からは所得制限に対する疑問も出された。

■給与収入と所得

 給与収入はサラリーマンらが企業から受け取った月給やボーナスなどの総額に当たる。そこから必要な経費を差し引いたものが所得で、税負担能力を示す基準となる。必要経費は一般的に給与所得控除という仕組みで自動的に計算される。所得から配偶者控除や扶養控除といった家族構成などに伴う控除額を減らして「課税所得」をはじき出し、税率を掛けると所得税額が算出される。一方、自営業者の収入は売上高を指し、実際にかかった経費との差額が所得となる。

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