安倍晋三首相は24日の参院環太平洋連携協定(TPP)特別委員会で、TPPからの脱退方針を表明しているトランプ次期米大統領を翻意させられるかどうかについて「そういう確信はない」と述べ、米国のTPP参加の見通しが立たないことを認めた。ただ日本として早期承認を目指す方針は変わらないとして、引き続き米国への説得を続ける考えを示した。

 ニューヨークで17日に開かれたトランプ氏との会談では「通商政策も含めて全般的な話をさせていただいた」と述べたが、具体的な内容は信頼関係を損ねるとして明らかにしなかった。

 民進党の蓮舫代表は「どれほど首相がTPPの意義を強調しても、トランプ氏は脱退を明言している」と指摘した。そうした状況で、日本が承認に向けた国会審議を続ける意味があるのかとただした。

 これに対して首相は「今ここで審議をやめれば、他の11カ国に先駆けてやめることになり、その瞬間にTPPは完全に終わる」と述べ、日本の承認の意義を強調した。

 トランプ氏がTPPに代わり2国間の自由貿易協定(FTA)などの交渉を進める考えを示していることに関しては「まずはTPPについて粘り強く、腰を据えて協議していきたい」と語った。TPPが米国の労働者の利益にもなると説き続けていく考えも示した。民進党の藤末健三氏や公明党の石川博崇氏らへの答弁。

 17日の会談の直後、トランプ氏を信頼できる指導者との認識を示した理由については「現職大統領(オバマ氏)への敬意をしっかり持っている。こういう姿勢を高く評価した」と語った。【共同】

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