久しぶりに有明海で水揚げされたアゲマキ(右)とウミタケ

収穫したアゲマキを大きさで選別する漁業者ら=鹿島市浜町

 長年漁獲が途絶えていた有明海特産の二枚貝・アゲマキの漁が6月、鹿島市地先の一部漁場で22年ぶりに再開された。合計出荷量は822・9キロ。県の当初想定600キロを上回り、関係者は手応えをつかんでいる。漁再開を見据えて試験操業を行った二枚貝・ウミタケも市場で高い評価を得た。資源回復の兆しをさらに広げ、持続的な漁につなげられるかが鍵になる。

 アゲマキは、県有明海漁協が漁協鹿島市支所の6人に依頼し、15日間管理操業した。佐賀市、鹿島市、福岡県柳川市の魚市場で2キロ6千~7千円程度で取引され、漁協の直売所「まえうみ」や道の駅鹿島でも販売。合計279万円を売り上げた。まえうみには開店前から数十人の行列ができることも。徳永重昭組合長は「珍しさと懐かしさで話題性があり、みなさんの期待度は高かった」と話す。

 漁では5センチ以下の小サイズは放流したという。徳永組合長は「採れるから採ってしまう、ではいけない。来年は、少しポイントをずらして漁をする形になるだろう」と資源管理の必要性を強調する。アゲマキは、県有明水産振興センターが再生産サイクルを確立し、これまで稚貝を累計1千万個以上放流してきた。県は資源回復の動きを加速させるため、県の中部や東部、福岡県の海域にも放流範囲を広げる考えだ。

 ウミタケの試験操業は、県が漁場造成した佐賀市川副町の早津江川沖合で昨年度に続いて実施した。簡易潜水器業者が4日間、長い棒の先の金具で水管を絡ませて採る「ねじ棒」業者が2日間漁に出て、出荷量は潜水器が81箱(3キロ入り)、ねじ棒が6箱(同)。殻が付いた状態の潜水器業者出荷分は単価が高く、平均1万7300円、最高2万8千円を記録した。

 ウミタケについて県水産課は「生息範囲は広がっているが、密度の問題がある。資源が増えないと二つの漁が両立しない」と話す。県は本年度、新たに白石町沖で漁場造成を実施し、アゲマキ同様に種苗を生産して放流する取り組みを始める。同課は「今後も漁協と一体となり、本格的な操業につなげていければ」としている。

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