24時間態勢で復旧工事が進められてきた徳須恵川の護岸崩落現場=唐津市北波多

 西日本各地を襲った豪雨で、佐賀県内で初めて大雨特別警報が発表されてから13日で1週間。土砂崩れで交通網は寸断、住宅にも土砂が流れ込み、その後の日常の暮らしにも影を落とした。交通網は徐々に復旧しているが、中には住まいの再建が見通せない住民も。一歩ずつ日常を取り戻す歩みを重ねる。

■JR筑肥線 

 土砂が流入して不通となっていたJR筑肥線は、唐津-筑前前原(福岡県糸島市)間が11日、山本(唐津市)-伊万里間は12日に運行を再開した。唐津市相知町から伊万里高に通学している名古屋尚汰さん(17)は「送迎で親に負担を掛けていたし、代行バスでは朝特課(課外授業)に間に合わなかったのでよかった」と喜んだ。

■道の駅厳木

 6日に土砂崩れが発生した唐津市厳木町の道の駅厳木は、4日間の休業を余儀なくされた。総菜を納入している同町の中島康子さん(75)は「あの日、大雨の予報を見て配達をやめていた。やっぱり行かなくてよかった」と顧みる。

 家のそばを流れる厳木川の水位が見る見るうちに上昇し、恐怖を味わった。「雨の量がすごかった。また何かのきっかけで崩れんやろうか」と不安は消えない。

■徳須恵川

 コンクリート護岸の堤防が長さ110メートルにわたって崩落した唐津市北波多の徳須恵川。夜は投光機をつけて24時間態勢で復旧作業を進め、九州地方整備局は13日にも堤防沿いの国道202号の通行止めを解除する予定だ。

 崩落現場は約5年前、氾濫対策として車道より1~1・5メートル高い堤防を設置した。近くに住む女性は「堤防近くまで増水していた。あとひと降りしたら氾濫していたと思うと、ぞっとする」と話した。

■イマリンビーチ

 伊万里市黒川町の海水浴場イマリンビーチに通じる臨港道路ののり面崩壊は、復旧のめどが立っていない。管理者の県がこれから被害原因の調査に入り、通行止めが長期化する恐れがある。迂回(うかい)路はあるが、伊万里市の観光課は「人出への影響は避けられない」と話す。

■基山町の住民

 自宅に土砂が流入した天本俊昭さん(59)=三養基郡基山町小倉=は「この1週間、今後どうするかだけを考えてきた」と振り返る。母屋は手つかずのままで、12日になってようやく比較的被害が少なかった離れの泥の排出を始めた。

 今後の生活の青写真はまったく描けていない。「ここに住めないことは分かっているが、どこに行けばいいのか。資金が潤沢にあるわけでなく、不安ばかり」と漏らした。

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