運転再開し、土砂が崩れた現場を通過するJR筑肥線。左奥から土砂が崩れた=11日午後3時半ごろ、唐津市浜玉町

 記録的な豪雨で唐津市浜玉町のJR筑肥線で起きた列車脱線を巡る対応を契機に、佐賀県などの自治体とJR九州との情報連絡体制が課題として浮上している。県や沿線である唐津市の地域防災計画では情報連絡の基準が明確化されておらず、6日の列車脱線では、JR側から県や市への連絡はなかった。緊急時には輸送で連携する必要もあり、県とJR双方とも、今後協議する考えを示している。

 列車の脱線は6日午後3時20分ごろ発生。運転士が線路に土砂の流入を確認したため、同2時40分ごろから停車しており、確認作業で駆けつけていた社員が同3時半ごろ110番した。JRは午後4時に九州運輸局に報告したが、佐賀県に連絡しなかった。これまでも同様の事案が九州各県であった場合も、その県に報告したことはない。

 今回、県の災害警戒本部に情報が入ったのは午後3時半過ぎで、通報を受けた県警が報告した。同4時から開かれた本部会議後、担当課がJRに連絡、状況を把握した。現場の唐津市にも連絡はなかった。市職員が外部からの情報で覚知し、午後3時40分ごろに消防がJRに問い合わせ、市の災害対策本部に伝わった。

 県や市の地域防災計画では鉄道災害に関し、多数の死傷者が出た場合や必要と判断した場合に報告を求めているが、今回のようなケースでは連絡体制が明記されていない。ただ、JRは災害時の交通を担う指定公共機関でもあり、緊急時には人や物資の輸送で協力してもらう必要がある。県は「脱線して運行できない状況であれば、連絡してほしかった」と話し、唐津市も「市民の通勤通学の足であり、通報してもらった方がいい」としている。

 県はJRとの情報連絡体制に関し「どのような場合に、どのタイミングで連絡するのか整理しておく必要がある」とし、JR側と協議する考えを示した。JRも「県への報告基準も含め、打ち合わせをしながら考えていきたい」と話している。

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