攻撃の核として活躍が期待されるFWフェルナンド・トーレス=2015年8月1日、鳥栖市のベストアメニティスタジアム

「誤報じゃないよ!ほんトーレス!」「来てくれてありがトーレス!」と書かれたタオルマフラーを持つフェルナンド・トーレス選手(左)とサガン・ドリームスの竹原稔社長=スペイン・マドリード(c)S.D.CO.,LTD.

「トーレス、鳥栖で待ってるよ」と笑顔で手を振るサガン鳥栖U-15の選手たち=鳥栖市京町の「虹の橋」

 サッカー・J1サガン鳥栖は10日、アトレチコ・マドリードなどで活躍した元スペイン代表のフェルナンド・トーレス(34)が加入すると発表した。ワールドカップ(W杯)など世界のひのき舞台で活躍してきた選手の加入は、得点力不足に悩むチームの反転攻勢の起爆剤として期待がかかる。

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 トーレスはスピードと決定力を兼ね備えたストライカーでスペイン代表では110試合で38得点を奪った実力者。チーム関係者は「前半戦の最後は守りが安定したが、ゴールが足りずに勝ちきれなかった。トーレスにはフィニッシャーとして躍動してほしい」と期待を寄せる。

 チームはW杯ロシア大会による中断前までのリーグ戦15試合で14得点と物足りなさが残った。抜群のキープ力を誇る元コロンビア代表のイバルボや趙東建(チョ・ドンゴン)、小野と前線にタレントはそろうが、けがなどでメンバーを固定できなかったことが要因として考えられる。

 ただ、世界的ストライカーの加入でイバルボとの二枚看板になれば、切れのある動きを見せる小野をトップ下に据えることもできる。さらに、空中戦に強い豊田が競り勝ったボールに走りだすことも可能になり、攻撃の幅は広がりそうだ。

 トーレスが全盛期の力を出し切れるかは未知数だが、「昨年もアトレチコで2桁取れているので、まだまだやれるレベル」(チーム関係者)と太鼓判を押す。枚数がそろって前線の競争が活性化することで「暑い夏場を乗り切っていけるだろう」と話す。

 Jリーグの規定で外国籍選手の登録は1チーム5人までと定められている。現時点で鳥栖にはイバルボと韓国籍選手4人がおり、トーレス獲得による移籍の“余波”にも注目が集まる。

■積極的な海外戦略奏功

 【解説】世界的なストライカー、フェルナンド・トーレスをなぜ鳥栖が獲得できたのか。クラブがJ1昇格当初から積極的に取り組んでいる海外戦略が評価されたことに加え、動画配信サービス「DAZN(ダ・ゾーン)」を展開し、Jリーグと巨額の放映権契約を結んだ英国パフォーム・グループの存在も追い風になったとみられる。

 鳥栖は「世界で戦えるチーム」を目指し、2013年にシドニーFC(豪州)と初の国際親善試合を実現。15年にはトーレスが所属するアトレチコ・マドリードを招くなど、海外との交流を通してクラブの成長を目指してきた。トーレスはベアスタの雰囲気を知っており、移籍を決断する上で判断材料になったことは間違いないだろう。

 DAZNは欧州5大リーグを含めた多様なコンテンツを展開し、世界中でサービス利用者を保有。Jリーグなどアジア圏へのビジネス拡大を見据えており、欧州のスター選手の移籍も前向きに捉えているようだ。

 W杯ロシア大会で日本代表の躍進を支えたのは、海外クラブで活躍している選手が中心だった。実力者の海外挑戦が続く中、Jリーグの人気が相対的に低迷しているのは事実。J1神戸に加入したスペイン代表のイニエスタやトーレスら超一流の選手が来てくれれば間違いなくJリーグは活性化し、その魅力を世界に発信する絶好の機会になる。こうした意味で鳥栖は今回、他のJクラブの手本になったともいえるだろう。(松岡蒼大)

■趙東建の背番号 9から19に変更

 サガン鳥栖は10日、FW趙東建(チョ・ドンゴン)の背番号を「9」から「19」に変更すると発表した。同日加入が決まったFWフェルナンド・トーレスが背番号「9」を着用するため。Jリーグは5月にユニホーム要項を改定し、シーズン途中の背番号変更を認めている。

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