アグリジャパンが再生に取り組む伊万里新幸農園。ナシだけでなく、今後はキウイ栽培にも取り組む=伊万里市

伊万里産のナシをPRするため、ふるさと納税の返礼品やショッピングセンターのお中元商戦にも力を入れている=佐賀市のゆめタウン佐賀

 佐賀市の農業法人「アグリジャパン」は伊万里市で、樹木や生産者の高齢化によって継続が困難になったナシ園の再生に取り組んでいる。園内に広がっていた休耕地に新たにキウイフルーツの苗木を植え、ナシとキウイの栽培を両立する新たな農園の形を探る。深刻化する耕作放棄地の解消につなげるとともに、両立栽培により年間を通した農作業工程を確立して雇用の安定に努め、産地の活性化につなげたい考えだ。

 アグリジャパンが3月から運営に乗り出した「伊万里新幸農園」は、ナシの栽培面積が約35ヘクタールと九州最大規模。ただ、樹木と生産者の高齢化が進み、すでに約半分の18ヘクタールが休耕地となっていた。ナシは30数年近くなると、高齢化すると樹勢が衰えて収量が落ちる。苗木が成木になるには7年以上かかり、その間は未収益期間となることから、計画的な改植が進まず、今後も耕作放棄地は増加する見込みだった。

 アグリジャパンを立ち上げた佐賀市の総合商社アグリは、ニュージーランドのゼスプリ社と委託栽培契約を結ぶなど、キウイ栽培の実績が豊富。キウイは未収益期間が約3年とナシより短く、同社はすでに栽培技術をマニュアル管理しており、大規模でもリスクなく参入できるという。今冬から園内の耕作放棄地にキウイを定植予定。将来的には果樹の選果場をリニューアルし、雇用を拡大する。

 既存のナシ園も優良な木は残し、約10ヘクタールで栽培を続ける。すでにデパートやショッピングモールの中元商戦で「伊万里梨」のブースを大規模に展開しており、ふるさと納税の返礼品としてのPRにも力を入れ人気を集めている。

 アグリジャパンの坂本徹哉会長は「佐賀農業にとって果樹は基幹産業の一つ。民間の力で活性化し、若者が農業に魅力を持つようになれば」と話す。

 

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