有明海再生に向けた報告書の素案をまとめた評価委員会の作業小委員会=東京・三田の三田共用会議所

 有明海の再生策を提言する環境省の有識者会議「有明海・八代海等総合調査評価委員会」は25日、作業の小委員会を開き、報告書素案をまとめた。一般の意見を聞いた後、5年余りに及んだ議論を反映させた報告書を年度内に国や佐賀県などに提出する。報告書は農林水産省などが取り組んでいる有明海再生事業の2018年度以降の施策見直しに生かされる。

 報告書素案は有明海を七つ、八代海を五つの海域に分け、「ベントス(水底の生物)の変化」「有用二枚貝の減少」「ノリ養殖の問題」「魚類等の変化」の4項目について、それぞれ海域で原因を整理し、再生への方向性を示している。

 ただ、焦点の諫早湾エリアでは1997年の国営諫早湾干拓事業の潮受け堤防閉め切り以前のデータがなく、因果関係には触れていない。素案で「ベントスについて問題の有無は確認されなかった」と記載されたことに、委員から「これだけ見ると問題がないような印象を受ける」など再考を求める意見が上がった。

 この日で終えた小委員会での指摘を踏まえて素案を練り直し、12月22日に予定している親会の評価委で議論、早ければ2月ごろに一般から意見を募集する。

 評価委は2000年のノリ不作をきっかけに特別措置法に基づいて03年2月に設置された。06年に報告書を提出後に休眠状態だったが、深刻な漁業被害を背景に11年に特措法が改正され、審議を再開していた。

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