救急医の不足で、4月から救急患者の受け入れを一部制限している県医療センター好生館=佐賀市嘉瀬町

 佐賀県医療センター好生館は、救急医不足のため、4月から救急患者の受け入れを一部制限している。専門医のいる循環器や脳血管、外傷の患者は24時間態勢で受け入れているが、心肺停止や急性薬物中毒など5症例に関して一部平日の夜間で受け入れが難しい。兒玉謙次館長は「一日でも早く通常の救急医療体制に戻すため、救急医を緊急募集している」と話している。

 救急医不在の時間帯は金・土曜日と祝日前日の各夜間(午後5時15分~午前8時半)。いずれも日中の救急医の勤務体制維持のため。心肺停止や急性薬物中毒のほか、「重症多発外傷」「環境障害(熱中症・低体温症)」「溺水」の患者受け入れが難しい。

 好生館によると、常勤の救急医は4年前には10人ほど勤務していたが、今年3月末で6人にまで減少。うち1人は子育て中の女性医師で、夜間勤務は実質、5人で担っている。兒玉館長は「全国的に医師が不足している。救急医となると県内の他の病院でも補充がままならない」と厳しい状況を説明。夜間の救急医は外科、内科から1人ずつ配置している状態で、医師の疲弊が目立つようになった。

 また医師や看護師らへの時間外手当て未払い問題により、全面的な勤務体制の見直しも迫られた。救急医の場合、休日を確保するため、(休日)前日の勤務体制を時間内だけに制限せざるを得なくなったという。

 患者受け入れの一部制限について兒玉館長は「4月スタートまでに佐賀大医学部附属病院と話し合い、(制限時の患者受け入れについて)理解してもらった」と話した。また県に説明しており、現在のところ目立った混乱はないという。ただ、4月以降、好生館への月当たりの搬送数は前年比2割減となった。

 兒玉院長は「できるだけ早期に救急医を少なくとも10人にそろえたい」と述べ、近隣の大学医学部を中心に募集をかけているという。

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