「招かれて行った場でやじを浴びせられ、悲しく残念な気持ちになった」。心ない言葉が人を大きく傷つける。受動喫煙対策を審議する場で、自民党の穴見陽一衆院議員から「いいかげんにしろ」とやじを飛ばされた長谷川一男さん。その無念はいかばかりだろう◆長谷川さんはステージ4の肺がん患者。体調が優れない中、厚生労働委員会の要請に応じて出席していた。「声なき声に耳を傾けてほしい」と受動喫煙の被害実態について発言中、恫喝(どうかつ)ともとれるやじを受けた◆こんな下劣を放置してはいけない。穴見議員は長谷川さんに直接会って謝罪すべきではないか。ところが、「不快な思いを与えたとすれば、おわびする」と逃げ口上のようなコメントを出した上に、やじは「つぶやいた」と釈明している。長谷川さんが受けた苦痛との落差◆こうした罪深いやじが、同じ政党の議員から多いと感じるのは気のせいではないだろう。受動喫煙を巡り「(がん患者は)働かなくていい」、沖縄での米軍機不時着では「それで何人死んだんだ」。数の力を背景にしたおごりはないか◆そもそも政治家同士の論戦ではなく、一般人を呼んでおいて「いいかげんにしろ」とは。これが有権者の選んだ選良なのか。人を傷つけ、うやむやにして雲隠れ。同じようなことを何度、見せられてきたことか。(丸)

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