激動する朝鮮半島情勢について講演した共同通信の磐村和哉編集委員=東京・内幸町の日本プレスセンター

 中央省庁の佐賀県出身者や県内勤務経験者らでつくる「かすみがせき佐賀会」(座長・中尾清一郎佐賀新聞社社長)の第71回例会が21日、都内で開かれ、共同通信元平壌(ピョンヤン)支局長の磐村和哉編集委員が講演した。経済制裁を通じて拉致問題の解決を目指す政府の方針について「制裁が効いているという幻想を排除して北朝鮮に日本の必要性を認識させるべき」と語った。

 磐村さんは米朝首脳会談に関し、「賛否両論あって当然だ。70年近い対立関係を4時間足らずで解決できるわけがない」と述べた。初の首脳会談を実現し、信頼構築の第一歩を築いた点や共同声明に署名したことを肯定的に評価した。

 一方、「完全かつ検証可能」といった非核化の原則を盛り込めなかった点や、いつまでにやるというプロセスが明示されなかった点を否定的に捉えた。

 磐村さんは「周辺各国は朝鮮半島の平和共存が続くことを前提に国益を反映させようと動いている」と述べ、北朝鮮にとって日本の必要性が相対的に低下していると指摘した。今後の日本外交に関し、小泉純一郎元首相が故金正日(キムジョンイル)総書記と交わした2002年の日朝平壌宣言に触れ、「北朝鮮は最高指導者が署名した宣言を否定できない。これを生かして日本独自の存在感を模索すべきだ」と主張した。

 例会には約40人が参加した。懇親会では中尾座長があいさつし、有田町の松尾佳昭町長による乾杯の音頭で歓談した。

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