海上自衛隊との共同訓練で佐世保市崎辺地区に飛来した米軍オスプレイ=2016年11月18日、長崎県

 在沖縄米海兵隊のオスプレイMV22が佐世保市に頻繁に飛来している。2015年3月の初飛来以来、9月の佐世保市防災訓練や佐世保市長らが体験搭乗した今月18日までに17回。佐賀空港に配備が計画される自衛隊機と一体運用される離島防衛専門部隊「水陸機動団」が新設される地元だけに、配備に向けた地ならしとの観測もある。

 市基地政策局によると、初飛来は15年3月23日。15年は約9カ月で6回だった。それが16年に入ると11月18日までに11回で、月1回ペースで飛来している計算だ。米軍からは防衛省-九州防衛局を通じて飛来日時、場所などの通知はあるが、目的は知らされない。市による目視での確認では「米海軍赤崎貯油所で給油するケースが多い」という。市基地政策局は「オスプレイは輸送ヘリCH46の後継機との位置付けと聞いており、米軍の通常運用と捉えている」との認識だ。

 「佐世保にいて海上自衛隊とのつながりが強いということもあって、チャンスが早く巡ってきたのでは」。長崎県内の首長で最初にオスプレイに搭乗した感想を問われた佐世保市の朝長則男市長はこう答えた。「災害の時に役に立つかどうか自分で体験してみたかった」とも語った。市によると、海上自衛隊佐世保地方隊からも今年7月以降、市長へオスプレイ搭乗の打診が数回あったという。

■緊密な関係

 海自による市長へのオスプレイ搭乗の働き掛けについて、保守系のある市議は「佐世保の海自は米軍と緊密な関係にあり、米軍と一緒にオスプレイをアピールする狙いがあるのではないか。安全性の問題も含めて」とみる。「市議会の中には、オスプレイ配備について佐賀が駄目なら佐世保で受ければいいと主張する議員もいる。離島が多く災害対応などでも役立つし、何より地域社会や経済への波及効果も期待できる」

 一方、米側の思惑を警戒する声も。在日米軍の動向を監視する「リムピース佐世保」編集委員の篠崎正人さんは「日本での将来的な施設利用を見据えた準備を重ねているのではないか」と分析、キーワードに「日米地位協定」を挙げた。

■自由アクセス権

 「米軍機が海自の佐世保教育隊や防備隊の施設を使う場合は、自衛隊との共同使用施設の利用を示す『2条4項b』になる」という。8日に佐賀空港で実施された米軍機によるデモフライトは「日本国内の空港などへの自由アクセス権を示した5条が根拠」と指摘、防衛省側も認めている。

 米軍の一連の動向から、篠崎さんは「どこで、地位協定のどの条項が、どういう場合に使うことができるのか試しているのではないか」と語る。さらに「前線基地の部隊を小規模な警備、メンテナンス部隊に置き換えて、有事の際にだけ主要な部隊を展開する戦略に移行してきている」と米軍再編の傾向を示す。

 それを踏まえ「日本では自衛隊をその部隊に見立てることで、効率的な運用を考えているのではないか。いざという時に各施設を利用できるよう試行しているともみることができる」と懸念する。

=オスプレイ 配備の先に=

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