佐賀県は、ベッドを使っていない「非稼働病棟」がある診療所などに、病棟を存続させるかどうかの意向を確認する。県内では県保健医療計画で定める基準病床数を、実際の病床数が既に上回っており、原則的に新設や増設ができない状態が続いている。11月までに調査結果をまとめて課題を洗い出し、新増設を必要としている医療機関と、存廃に悩む診療所の調整を図り、病床の有効活用を目指す。

 県医務課によると、8~9月に調査し、病床を再開させるかどうかの見通しや、具体的な後継者がいるかなどを尋ねる。再開や譲渡、病床廃止を希望する施設には、「2年から5年以内」「7年以上」など具体的な対応時期も確認する。

 2015年5月に県医師会が実施した調査では、非稼働病棟があるのは45の診療所(538病床)だった。再開したくても夜勤の看護師が確保できないケースや、高齢になり入院の受け入れが難しくなった医師が、後任への引き継ぎを考慮して病床を残しているところがあるという。

 第7次県保健医療計画(18~23年度)で定める基準病床数のうち、県内全体の療養・一般病床数は7617床。18年4月末の病床数は1万694床と大きく上回っており、県内五つの保健医療圏はいずれも「病床過剰地域」となっている。

 病床数の有効活用を図りたい厚生労働省は今年2月、病床過剰地域で非稼働病棟を維持する必要性が乏しい医療機関に対し、各都道府県の医療審議会の意見を聞いた上で、県が速やかに病床数削減を要請することを求める通知を出した。

 調査結果は11月までに開く県地域医療構想調整会議に報告し、病棟再開に向けた手だてを探ったり、希望する機関が病床数を譲り受けたりする調整に役立てる。県医務課は「一歩踏み込み、具体的な対応時期まで聞く。過不足がない医療環境づくりに向けて、地域全体で考えるきっかけになれば」と話す。

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