産卵に現れたカブトガニのつがい=2016年7月撮影、伊万里市木須町の多々良海岸

 国の文化審議会が、伊万里市瀬戸町の「伊万里湾カブトガニ繁殖地」を天然記念物に指定するよう、文科相に答申した。カブトガニ繁殖地の指定は1928(昭和3)年の岡山県笠岡市に次ぎ2例目。県内の国天然記念物は15件となった。

 カブトガニは約2億年前から姿をほとんど変えず「生きた化石」と呼ばれる。かつては瀬戸内海や九州北部沿岸に広く生息した。近年は分布地や個体数が減り、環境省レッドリストでは「絶滅危惧1類」となっている。

 指定を受けた伊万里湾の奥部東側にある多々良海岸、多々良南海岸、トンゴ島一帯は、6月下旬から8月にかけて砂浜で産卵し、干潟で幼生が育つ。86(同61)年に市が天然記念物に指定した水域から、国指定はさらに広げ、水深1メートルの58万1766平方メートルとした。

 伊万里高理化・生物部による研究調査や、市民による盛んな保護活動も評価された。指定後には海岸近くの「伊万里湾カブトガニの館」「カブトガニ神社」が建立され、新たな観光スポットに。夫婦和合、子宝、長寿にご利益があるとか。(新元号まであと316日)

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